【分かりやすく解説】銀行と信用金庫ってどう違うの?知ってるようで知らない金融機関の話
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素朴の疑問なんですけど、街の中に銀行以外に信用金庫とか労働金庫とかってありますよね?
こちらも全部金融機関なんですか?
普段、給料の振込や貯金などでしか利用しない場合、あまり利用する機会はないかもしれませんね。
すべて金融機関の仲間ですよ。
ただ、目的や根拠となる法律が違うんです。
法律まで違うんですね。。
くわしく教えてください!
この記事の目次
金融機関の種類
金融機関というと「銀行」が真っ先に出てくると思いますが、保険会社や消費者金融もすべて金融機関に含まれます。
今回はその中でも「預貯金取扱金融機関」に分類される金融機関を中心に解説していきます。
預貯金取扱金融機関の種類
預貯金取扱い金融機関の種類ですが、大きく分けると
- 銀行(普通銀行)
- 信用金庫
- 信用協同組合(信用組合)
- 労働金庫
- 一部の農業協同組合、漁業協同組合、水産加工業協同組合
があります。
たしかに、街中で見かける名前ですね。
それぞれ、どんな違いがあるのか見ていきましょう。
銀行(普通銀行)
普通銀行(以下、銀行)は「銀行法」に基づいています。
銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資すること
銀行法 第一章 総則 第一条
とあります。
尚、普通銀行は営利目的の法人なので株式会社になります。
一部の銀行は、同じ株式会社が複数の銀行を運営していたりするんですね。
そして、銀行の中にもいくつか種類があります。
都市銀行(都銀)
現在、都銀に分類される銀行は、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行・(埼玉りそな銀行)となります。
街中で良く見かける銀行なので皆さんの目に触れることが一番多い銀行でしょう。
地方銀行(地銀)
地方銀行は地域の活性化、地域経済の発展に力を入れていることが特徴です。
全国的な都銀に比べて、地域に力を入れているのが地銀といえるでしょう。
地方は二種類あり、第一地銀と第二地銀があります。
第一地銀は「全国地方銀行協会」に所属しており、第二地銀は「第二地方銀行協会」所属しています。
第二地銀の大多数は、昔の相互銀行が「金融機関の合併及び転換に関する法律」の法改正によって普通銀行になった銀行です。
※一部他の経緯での銀行も存在します
信託銀行
信託銀行は「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づいて、銀行業務・信託業務・併営業務を行っている銀行のことを指します。
詳しい業務内容は一般社団法人信託協会「信託について」をご覧ください。
その他の銀行
ほかにも、最近では色々な形態の銀行が存在します。
例えば、
・ネット銀行(楽天銀行・ジャパンネット銀行など)
・ATM系の銀行(セブン銀行・ローソン銀行など)
・ショッピングセンター系の銀行(イオン銀行など)
など。
実店舗をかまえる都銀・地銀とは違う特性を持っています。
信用金庫
信用金庫は「信用金庫法」に基づいています。
そして、株式会社である銀行と違い、 会員の出資による協同組織の非営利法人です。
信用金庫の目的は、
地域の方々が利用者・会員となって互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織の金融機関で、主な取引先は中小企業や個人です。
https://www.shinkin.org/shinkin/difference/
利益第一主義ではなく、会員すなわち地域社会の利益が優先されます。
さらに、営業地域は一定の地域に限定されており、お預かりした資金はその地域の発展に生かされている点も銀行と大きく異なります。
と述べられており、地域社会への利益を優先した地域密着型の組織といえます。
信用組合
信用組合は「中小企業等協同組合法」「協同組合による金融事業に関する法律 」に基づいています。
信用組合の目的は、
「相互扶助」を理念とし、中小企業・小規模事業者等や地域、業域、職域の生活者がお互いに支え合い、夢をかなえるために、一人ひとりが預金しあい、必要な時に適切な審査のもとに融資することを使命とする「中小企業等協同組合法」に基づく協同組合組織の金融機関です。
一般社団法人 全国信用組合中央協会「信用組合とは」
信用金庫と似ていますが、根拠となる法律が違います。
また、会員(組合員)資格の違いや、預金受け入れの対象の違いなどがあります。
地域の中でもさらに組合員を優先した組織といえます。
労働金庫
労働金庫は「労働金庫法」に基づいています。
こちらも信用金庫や信用組合と似ているようで、根拠となる法律が違っています。
労働金庫の目的は、
ろうきんは、はたらく仲間がお互いを助けあうためにつくった金融機関です。
一般社団法人 全国労働金庫協会「ろうきんとは?」
1953年(昭和28年)に定められた「労働金庫法」にもとづき、はたらく人の「ゆとり」「ゆたかさ」を実現することを目的にしています。
と解説されています。
信用金庫や信用組合と違うところとして、勤労者(はたらく仲間)同士の互助を目的としていることです。
このように、営利目的ではない信金・信組・労金は、それぞれ特定の地域・コミュニティの括りは様々ですが、そのグループでの相互互助を目的としているところが、銀行との大きな違いといえるでしょう。
それぞれのメリット・デメリット
これだけさまざまな種類の金融機関がある訳ですが、それぞれ強み弱みがあります。
例えば、銀行の口座開設の場合、都銀は全国に支店があるのでお金の引き出し等がどこでもできます。
別々の銀行間でも引き出しは対応していますが、手数料がかかったりします。
出張や転勤が多く、各地でATMを利用される方は都銀の口座で管理すると良いかもしれません。
融資という面ではどうでしょうか?
都銀は資金面も含めて規模が大きいので、大口顧客・大企業・富裕層を中心に営業を行っている傾向があります。
一方地銀は、地域の中小企業向けの融資に目を向けているので、中小企業への融資の相談にのってもらいやすいといえます。
また、ネット系やATM系の銀行は、実店舗を持たない特性上、対面が必要なローン商品は取り扱っていないなどの制限があります。
その分、コストを抑えている為、預金の際の金利が高め、ローンが比較的低金利であるというメリットも目立っています。
信金・信組はどうでしょうか?
さらにエリアを絞った地域密着型といえます。
また、銀行と違い、株式会社ではないので、営利目的ではありません。
長期的な目線で融資を検討してもらえる可能性があります。
このように各金融機関はそれぞれの特性に分かれてメリット・デメリットが存在します。
各金融機関の特性や取扱い商品を調べて、自分にとって一番相性の良い先を選びましょう。