社会問題に立ち向かう!飛騨高山の「さるぼぼコイン」が目指すデジタル地域通貨の未来。Chapter.1

特集・コラム

突然ですが、デジタル地域通貨って知っていますか?

デジタル地域通貨ですか。。
デジタル通貨と聞くと、最近キャンペーンをやってる「PayPay」とか「メルペイ」を思い浮かべますけど、、、

基本的には同じ仕組みの決済方法ですね!
たしかに、キャッシュレス決済の還元キャンペーンで、すごく身近になっています。
今回は、飛騨高山地域限定で利用できる デジタル通貨「さるぼぼコイン」について触れていきたいと思います。

地域限定の デジタル通貨があるんですか!
なんか、レアっぽくてゲットしたくなりますね!!

でも、飛騨高山地域の限定だと東京などでは使えないですよね。他の決済で済んでしまうような。。

たしかに、キャッシュレス決済という側面だけでいえば他の決済で代用できてしまいます。
ただ、この デジタル地域通貨には、地方の社会問題に向き合ったり、今後の可能性という意味でとても大きな可能性を秘めているんですよ。

今回は、 デジタル地域通貨のシステム開発を行われている株式会社フィノバレーの代表取締役 川田氏に直撃インタビューをさせて頂きました!

株式会社フィノバレー
代表取締役 川田 修平氏
プライスウォーターハウスコンサルタントでERPシステムのコンサルタント、ボストン・コンサルティング・グループで戦略コンサルタントとしてプロジェクトを推進。
GEコンシュマーファイナンスで保険事業を担当した後、エス・エム・エスで看護師などの医療従事者向けコミュニティサイトの運営、看護師向け雑誌、通販事業の買収・PMIから運営・推進を担当。
その後、株式会社アイリッジにて、営業と新規事業開発を担当し、FinTech、決済領域でのプロジェクトを推進。
2018年8月よりデジタル地域通貨を中心としたFinTech事業を子会社化し、代表取締役社長に就任。
少子高齢化や地域活性化をテーマに、金融とIT(特にスマートフォンアプリ)を使ったソリューションの開発、推進中。
慶應義塾大学総合政策学部卒業。


企画へ参加したきっかけ

川田氏 よろしくお願いします。

元々のきっかけは飛騨信用組合様(以下、ひだしん様)で企画されていまして、システムを作る際にご相談を頂いたのかきっかけです。

私たちが関わる前の話をいたしますと、ひだしん様では地域の人口(特に生産人口といわれる15~65歳)がかなり急ピッチで減ってきていて、これから先の20~30年の人口動態の推計をみると半分くらいになる推測がありました。

地域の経済は生産人口とほぼ比例しているので、生産人口が減れば地域経済もシュリンクします。

地元の金融機関様は地域外での営業ができないので、地域が沈むと金融機関様の規模も小さくなっていくことが目に見えている状況です。

そんな中で、地域をどういう風に盛り上げていくか・防衛していくかという取り組みを試行錯誤されていました。

その中で、「さるぼぼ倶楽部」という会員制のコミュニティでクーポンの発行等のマーケティング的な取り組みをひだしん様を中心に行っていました。
そのころ中国でアリペイやWe ChatペイなどQRコードを使った決済が広がっているということもあり、地域の中で地域通貨に注目しており、電子化することで新しいことをしたいということをさるぼぼクラブで検討していらっしゃったようです。

飛騨というと、飛騨高山や白川郷など観光地域としてすごく有名ですよね?

川田氏 はい。観光資源があります。
インバウンドと言われる前から、観光産業の大事さを認識して市長自ら積極的にトップ営業することで観光地としてのイメージが上がったそうですよ。

私たちとしては、受託開発でシステムを依頼されて作るだけでなく、どういう意味あるか・その手前にどういう課題があるかということを理解して取り組みたいという想いもあり、かかわるきっかけとなりました。

少子高齢化の情報をみると、人口が東京に一極集中していて、人口動態の問題は飛騨高山に限らない話となっています。
その流れに抗うのは非常に難しいことなのですが、お金の流れを変えることで地域の活性化するきっかけづくりとして取り組みを開始しました。

また、日本円という仕組みだと、東京の会社にお金が流れやすくなります。
クレジットカードは手数料で5%近くを負担する必要があり、その手数料は東京資本のカード会社やVISAやMASTERなどの海外企業に流れてしまいます。
そうすると、取引をすればするほど地域外にお金が流れていくことになります。

もちろん、経済はボーダレスになっているので、完全に地域を外部から遮断してしまうのは良くないのですが、少し壁をもつことで地域内でお金が回る確率が高くなるという考え方が、地域通貨のコンセプトとなります。

地域通貨の成功事例「ヴェルグルの奇跡」

川田氏 余談ですが、「地域通貨」は第一次世界大戦の後にオーストリアで「ヴェルグルの奇跡」という経済学で有名な事例があります。

元々はドイツやオーストリアでハイパーインフレになって紙幣が足りなくなった時に、地元だけで流通する証書を独自で印刷して紙幣代わりに使うという取り組みだったのですが、ヴェルグルという町は廃れた時にヴェゼル通貨という地域通貨を発行しました。
仕組みとしては、例えば1万円があったとして、1ヶ月後に失効するのですが、100円の印紙を貼ると使えるようになるという、毎月1%ずつ減価するという仕組みを導入しました。
早く使わないと損するので、地域のお金がすごい勢いでまわって経済が復活したという事例です。

時代も地域も違うので同じようにはいかないかもしれませんが、過去のこういった事例も踏まえて地域通貨について向き合いました。

過去の成功事例があるんですね。

はい。
現在の日本では、お金は日本銀行がいっぱい刷っているので余っているのですが、 量的緩和政策で金融資産自体は全国で増えています。
しかし、シニア世代の割合が増えると使うことが減り、流動性が落ちているので経済がまわりません。
仮に銀行に預金をしていても、銀行はそのお金で国債を買ったりグローバル企業に投資したりという形で外部に流出している形になります。
地域の金融機関でもすべてのお金が地域内でまわっていないので、一部は地域から流出していることになります。
なので、もっと地域の中でまわるようにしたいのが、目指している世界です。

ありがとうございます。
ちなみに導入するにあたり、システム開発をされた御社、運用をされているひだしん様、決済システムを導入する店舗様、そして利用するエンドユーザー様と、ステークホルダーが多く、実現までにさまざまなハードルを越えてこられたのではないかと思います。

導入に伴う課題や経験談などをお聞かせください。

ロングインタビューになりますので、一旦休憩をはさみます。
続きはまた次回!
次回の記事では、導入にいたるまでの課題や経験談などをくわしく話して頂きます。

お楽しみに~。

Chapter.2へ続く >>


インタビューご協力企業様のご紹介

今回インタビューにご協力いただいた企業様「株式会社フィノバレー」様はマザーズに上場している株式会社アイリッジ様の子会社となります。
電子地域通貨プラットフォーム「MoneyEasy」は、今回ご紹介させて頂いた「さるぼぼコイン」だけでなく、木更津市限定の「アクアコイン」でも利用されています。