SPAC(特別買収目的会社)とは何?仕組みや特徴を解説

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最近ニュースで読んだんですが、アメリカではSPAC(特別買収目的会社)というのが注目されているようですね。
ところで、何が特別で何を買収する会社なんですか?

アメリカの経済ニュースにも関心があるんですね。
特別買収目的会社はアメリカでは増えてきていますが、これから日本を含む世界でもトレンドになる可能性があるんです。

そうなんですか!やっぱり僕は目の付け所が良いですよね。

それはさておき、今回は特別買収目的会社について見ていきましょう。メリットやデメリットを知っておくと、これから日本で特別買収目的会社が生まれたときに対応しやすくなりますよ。

SPAC(特別買収目的会社)とはどんな会社?

「特別買収目的会社」とは、未上場企業の買収を目的として設立される会社です。
英語では「Special Purpose Acquisition Company」と言い、頭文字を取って「SPAC」と表記されることもあります。

なお、SPACは買収だけを目的として設立されるので、SPAC自身は事業を行いません。

SPACによる上場の流れ

SPACによる上場は、以下の流れで行われます。

  1. SPACが上場して資金を調達する
  2. 調達した資金で未上場企業を買収する
  3. 未上場企業とSPACが合併し、未上場企業が存続会社となる
  4. 未上場企業が上場企業になる

SPACは自己資金で上場し、市場で調達した資金を使って未上場企業を買収・合併して、未上場企業のほうを存続会社にします。
結果として、SPAC自身の名前はなくなり、未上場企業が新たな上場企業として誕生することになるのです。

従来のIPOとの違い

未上場だった株式を上場して、新規に市場で公開することをIPOといいます。
その株式(IPO株)は上場に先立って販売され、公開価格で購入できます。IPO株は上場後に公開価格よりも値上がりすることが多いため、投資家に人気の株式です。
しかし、必ずしも上場後に株価が上昇するとは限りません。投資家は企業価値を厳しく見極める必要があります。
一方、SPACにより上場する企業はSPACが将来性ありと判断した企業なので、投資家はある程度安心して投資を行えると判断します。

また、通常のIPOでは上場審査に時間がかかります。
SPACによる上場では上場審査もSPACが受けるため、未上場企業への審査はなく、比較的短期間での上場が可能です。

日本ではSPACは認められていない

アメリカではSPACによる上場は増えており、2015年はわずか20件でしたが2020年には248件にも上っています。SPACが集める資金も増えており、2015年は39億ドルでしたが2020年には834億ドルまで増加しました。

現在、日本でSPACを用いて上場する手法は認められていません。
ただし、近い将来SPACによる上場が解禁される可能性が考えると、SPACについて知っておくことは必要といえます。

アメリカのSPACへの投資は現在でも可能です。米国株を扱う証券会社で購入できるので、ぜひチェックしてみましょう。

企業側のSPACのメリット・デメリット

SPACを通じて上場することには、SPACに買収される企業側として、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。主なメリットとデメリットについて見ていきましょう。

【メリット】短期間で上場できる

通常の過程を経て上場する場合、審査時間が長く、上場までに時間がかかってしまいます。飛躍のチャンスを迎えている企業であっても、上場までに時間がかかるために資金調達の機会を逃してしまうということになりかねません。

しかし、SPACを通した上場ならば、買収される企業の上場審査は不要です。買収された時点で上場が実現するため、資金調達までの時間も短縮できるというメリットがあります。

【デメリット】ルールが多い

SPACは有望企業を買収することを目的として資金調達を行いますが、買収がうまくいかない可能性もあるため、投資家保護の観点から様々なルールに従わなくてはいけません。
例えば、アメリカのSPACには以下のルールが課せられています。

  • 上場から24ヶ月以内に買収を完了させる
  • 買収の際には一定数以上の株主の同意が必要
  • 買収できない場合は、調達した資金に利息をつけて株主に返還する

つまり、買収される企業側は、SPACから買収のオファーがあってから短期間で返答しなくてはいけません。
また、買収に応じた場合でも、SPACの株主から同意を得られない際には買収の話自体が流れることになります。
このように従うべきルールが多いため、思うようなタイミングや条件で上場できない可能性もあります。

投資家側のSPACのメリット・デメリット

SPACを投資対象と見たとき、投資家にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれについて見ていきましょう。

【メリット】成長株の購入機会を得られる

SPACに投資をすることで、これから成長すると考えられる株式を購入することができます。従来のIPOでも成長株の購入は可能ですが、IPOで放出される株式数は少ないため、購入できない可能性も少なくありません。
一方、SPACならばすでに株式が市場に出回っているため、購入を希望すればほぼ確実に購入できるでしょう。

【デメリット】経営不振でも上場可能

IPOでは上場する企業は厳しく審査されるため、不安要素がある企業は上場しにくくなります。
しかし、SPACでは対象企業が経営不振であっても、買収さえ完了すれば上場が可能です。そのため、投資家は不安要素がある企業の株式を購入することにもなりかねません。

まとめ

SPACによる上場は未上場企業にとってもチャンスですが、投資家にとってもチャンスです。
メリット・デメリットを把握した上で、SPACへの投資や、今後日本でSPACが実現した時に活かしていきましょう。


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