今後のコロナ・シナリオ。ポストコロナの資産防衛とその対策

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新型コロナウィルス(COVID-19)による緊急事態宣言が、当初の予定(5月6日)から大幅な延長となり5月末日までとなりました。
※一部地域の規制緩和、定期的な期限の見直しあり

2019年12月の中国「武漢」で始まり、半年足らずで全世界中に蔓延して、感染者355万人以上、死者24万人以上、日本においては、1万5千人以上、死者543人(5月6日WHOホームページ情報)の戦後未曾有の感染爆発(パンデミック)の事態になっています。

一方、各国のロックダウン(都市封鎖)によるウィルス封じ込めの効果が確認されつつあり、ついに米国医薬大手ギリアド・サイエンシズ社の「レムデシビル」が厚労省により特例承認されるなど、各国・各社で治療薬の開発が徐々に成果を出しつつあります。

そのような状況下で、今回は「資産防衛とその対応策の検討」について解説していきたいと思いますが、このテーマでは大きな二つの要素が鍵となっています。

  1. COVID-19の感染はいつまで続き、その終息はいつなのか?
  2. 経済的な影響と世界経済へのネガティブな波及効果

尚、この二つの要素は極めて不確実性の高いため、断定的な予測を立てるには時期尚早かもしれません。
しかし、発生当初に比べて各機関や企業の情報提供・共有が進んだことで過去の歴史から学び、そして予測することができます。

当たらずとも自己防衛するための指針として、今後の資産防衛の計画を立てる読者の皆さんの参考になればと思います。

いつまで感染拡大を続けるのか

私が免疫学の専門家ではない為、感染については断定的な意見を述べることはできないのですが、各機関や企業が公開しているさまざまな情報を基にお話をしていきたいと思います。

終息に必要な条件としては「集団免疫の獲得」(感染の可能性のある集団のおよそ80%の抗体保有率)の達成というのが一つの目安となります。

免疫獲得には「自然感染」によるものと「ワクチン」によって獲得する2つのケースが考えられます。
しかし、 ワクチンの開発は「レムデシビル」が承認されたとはいえまだ途上であり、医療技術が進歩している現在でも最低でも1年は掛かると言われています。

各国で、人の移動・経済活動の制限と解除の狭間にある状況下では、ここ数ヶ月で完全終息というのは考えづらいと思います。

スペイン風邪を例に考える

当時の状況

ここで、ウィルスの終息する期間に関して参考になるのは、1918年に米国のカンザス州の米陸軍兵営にて発症したスペイン風邪の世界的流行です。

当時、第一次世界大戦中だったこともあり、世界では当時の人口の約4分の1に相当する5億人の感染者に、1千万人とも5千万人とも死亡者とも伝えられています。
戦時中であったり統計データの未正確性もあり、致死率についてのデータは5〜6%と現在の新型コロナウィルスと近似値を取っています。

そんな当時のスペイン風邪は、現代とは公衆衛生や医療技術も違うとはいえ、各国は、外出の自粛を行ったりマスクの着用を励行していたました。
この状況は現在の状況と似通っており、歴史は繰り返すとまでは行かなくとも、そこから学ぶべき点があると思います。
ではスペイン風邪は、終息までどの程度の期間を要し、終息までどのような経過を辿ったのでしょうか?

「収束」と「終息」

結論からお伝えすると、日本では1918年の9月末から10月初頭に上陸して、1920年の6月の終息まで約2年を要しています。

また流行について、上述の書では1918年11月から1919年6月が「前流行」の第1波、収束したとお思いきやその半年後の1919年12月から1920年6月に「後流行」の第2波と記述されています。
つまり、パンデミックは一回で収束・終息するのではなく、完全終息まで複数回の波状的流行があったわけです。

また、COVID-19と同様に、当初は高齢者や基礎疾患をもった者の死亡率が高く、健常者や壮健な若者世代は重症患者が少なかったようです。
ところが、第2波以降はウィルスが変異・強毒化し、犠牲者は次第に若者世代にも蔓延して行ったこと述べられています。

現在のCOVID-19も、すでに大陸を経て発生当初より変異して数種類に分類される報告がされている点も共通しています。

年齢階級(歳)<56~2021~4041~60>61
全年齢に対する感染割合(%)13.2931.7134.4417.34.25
全年齢に対する死亡割合(%)16.322.5839.8215.365.94

スペイン風邪:年齢別患者割合と死亡率の割合(1918-1919年間)。内務省報告書『流行性感冒「スペイン風邪」大流行の記録』(第八章・第四表)より
(出典:https://crea.bunshun.jp/articles/-/26179?page=3)

過去との比較から見えてくる終息までのシナリオ

では、過去のスペイン風邪の事例と現在の状況を比較してみましょう。

各国が感染者数等の指標を前提に一時的な収束を確認し、徐々にロックダウンの解除や経済活動制限の緩和に向けて動き出しています。
しかし、集団免疫の獲得が確認されていない中では、第2波、第3波の可能性は、捨て切れません。
その場合は、今回の各国のロックダウン・緊急事態宣言が再度発令されることも十分に予見されます。

従って、COVID-19の終息にはワクチンの開発・治験・国からの認可、そして一般の方への提供がスムーズに進んだとしても、最速で1年、通常のスピード感ではやはり2年相当の期間を要すると考えるのが妥当といえるかもしれません。

それまでは、感染の拡大抑制と医療崩壊の抑止に経済のバランスをとりつつ「集団免疫の獲得」までの時間稼ぎを行なっていくのが、現在各国で取られている施策と考えられます。

ポスト・コロナを切り抜ける

続いて、上述の終息シナリオを前提に、経済的な状況のシナリオを想定してみたいと思います。

実は、スペイン風邪流行の時分、第一次世界大戦最中(終戦は1918年11月のドイツの休戦協定)であり、日本は戦時特需による輸出増と産業発展による生産能力の向上で好景気の真只中でした。
この戦時需要による投機バブル景気が1920年3月まで続いた為、人の移動・経済活動の制限を伴った事により需要が著しく減少している現状とは、直接的に比較しづらい部分があります。

そこで、1929年10月のアメリカニューヨーク株式市場の大暴落に端を発した世界恐慌時は、どのように経済が不況に陥り、その後の回復基調に乗ったのか考察してみましょう。

「世界恐慌」と現在の共通点

「世界恐慌の時と新型コロナの影響が出ている現在は関連性がないのでは?」

と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ところが、実は世界恐慌は株式市場の大暴落を景気に始まってはいますが、その要因として、

  • 第一次世界大戦による欧州の荒廃によるファンダメンタル(経済の基礎的要因)の悪化と需要の喪失
  • 当時この大戦に直接的に加わらなかった米国の戦中・戦後景気の過熱によるバブルのピークアウト

などが挙げられ、 当時、米国は156万人という大量の失業者で溢れかえりました。

これは、現在の「リーマンショック以降戦後最長の景気拡大のピークアウト」に加え、「2020年4月の米国の失業率の急上昇」に共通点をみることができます。

結果的に、世界恐慌は1933年に米国全体で失業率24%(失業者数1200万人)まで膨れ上がり、その経済効果が波及した世界のGDP(国内総生産)は、約15%を消失して底打ちしました。
そして、その影響は1930年台後半まで続き、そのような背景が第2次世界大戦へつながっていきます。

現在では、今回の騒動が即戦争に繋がるとは想像しにくいかもしれません。

しかし、経済のグローバル化と世界的なサプライチェーンが密接に連動する中、より経済的な波及効果が引き起こされるのは想像に難くないです。

そのような歴史に学べば、現在の状況が半年そこらで回復、ましてや即時V字復活とは考えにくいものです。

米国の株価

(出典:週刊東洋経済Plusオンライン 感染症と恐怖、2つのパンデミックの関係とは?スペイン風邪の流行期に株価が毎月上昇した理由 ロバート・シラー:米イェール大学教授 2020/04/01)

資産防衛の対策

ここまで、COVID-19パンデミックに伴う過去の事例を基にしたシナリオ考察を行いました。

大前提として、まずはこの危機を生き残るために新型コロナ感染を回避し、健康を維持することはもちろんです。
しかし、生活資金はもとより事業の維持や突発的対応に備えて、手元資金の流動性は高くしたいものです。

下記のリンク先でも新型コロナに関する対策術や支援制度について各専門家がまとめています。

新型コロナウィルスにおける経済対策・支援制度まとめ

あなたの家計を守るために第2弾~新型コロナウイルスで減収!?今、取れる対策ってなんだろう?



このような制度は、無利子もしくは低金利・数年の元本据え置きと好条件なので、この緊急時をしのぐには是非とも活用したいところです。
今後、新型コロナ禍の短期終息を願いつつも、第2波・第3波による長期化の想定、事後的に波及してくる実体経済の低迷を考慮すると、手元のキャッシュリザーブをまずは厚くしたいですね。

その後については、またの機会に別の記事で解説したいと思います。

この先、各国でかなりの財政支出や支援金拠出を約束していますし、それらを支援する金融政策が実施されていくことになるでしょう。

それによって、財政出動による財政不安に市場が反応してインフレになる可能性も懸念されています。
現に、短期の国債金利が維持される中、長期国債や住宅ローン金利に上昇の動きが出るなど、インフレの兆候も見え始めています。
長期的に見ると、国内のインフレによる円安で為替価値が毀損することも十分想定されます。

そのようなインフレへの対策として、

  • アセットクラス(同じような特性をもった投資資産)の分散化
  • ローンの活用やコストの見直しを含めた資金繰りの改善

などで緊急時の資産防衛対策としてご検討してみてはいかがでしょうか。

長期金利と日経平均株価の比較

(出典:ファイナンシャルプランナー相談のFPバンク東京駅・新宿駅 コロナショックで長期金利も上昇!?長期金利と住宅ローンの気になる関係)



参考文献:『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』 著者 速水融

さて本稿では、新型コロナ(COVID-19)が今後終息までどのような経過をたどるシミュレーションと、その場合の経済的な影響度合いを考察しました。
次稿では、資産価格に及ぼす影響と為替動向のシミュレーションを考察してみたいと思います。

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