ニューヨークからお便り~現地不動産の現況と市場動向

投資

コロナ禍でまだ予断を許さない状況ですが、現時点でいまだロックダウンが続いている、世界屈指の経済都市ニューヨーク。
今回は、ニューヨークの不動産専門家であるボイラン和子氏に現地の状況をうかがってみました。

よろしくお願いいたします。
現在、ニューヨークでは不動産業界でも多くの経済活動の制限がかかっています。

現在の状況をより多くの皆様に知って頂けるよう、お伝えしていきたいと思います。

ニューヨーク不動産業界の現況

全米の中でコロナの感染者が一番多いニューヨーク州においては、特に不動産業者への規則がとても厳しくなっています。
元々、「エッセンシャルワーカー(必要不可欠な労働者)」ではないといわれていましたが、ロビー活動(国・政府への働きかけ)によって必要不可欠であるという判断を得ることができました。

しかし、実際にはエッセンシャルとして働くには厳しい規則が強いられています。
例えば、他の州ではマスク着用で他人との距離をあければ、一緒に家の中にはいっての案内は許可されていますが、ニューヨーク州では禁じられています。
物件の案内は、たとえ空き家でもお客さまと一緒に見に行くことは禁止されている訳です。
たとえ少人数・ソーシャルディスタンスを保っていたとしても内覧(内見)は許可されていません。

内覧もウェブからOK!?「バーチャルショーイング」

現地での複数人の内覧は許可されていませんが、不動産仲介業者が現地で家の中をテレビ電話・写真・動画などで買い主に見せることは許可されています。

そこで、新たな方法として「バーチャルショーイング」と呼ばれるZOOMなどのテレビ電話機能を利用して内覧を行う方法を取っています。

尚、買い主がどうしても現地を見たい場合、仲介業者は関わることができません。
その場合は、買い主と売り主の間で直接連絡を取り、内覧して頂きます。
もし内覧によって誰かがコロナに感染・亡くなった場合でも、自分の意思で内覧をした、という趣旨の用紙にサインをして内覧しに行くという事もしています。

物件調査でもコロナの影響が顕著に

買い主は、内覧後に気に入った物件の調査(インスペクション)を行いますが、これにもかなり時間がかかっています。

テナントが入ってる物件では、テナント側が調査を拒否するケースなどもあります。
中にはテナントの家族の一人がコロナに感染し、ドクターに2週間は家で隔離するように言われて調査がキャンセル、2週間後また他のファミリーメンバーがかかってキャンセル、と延々に入れなくなったこともあります。

調査に関して特別な規則はありませんが、特に高齢者のテナントではずっと調査に入れない可能性もあり、物件を換えることも考える買い主もいる状況です。
実際に、私の担当しているお客様もシビレをきらせて、別の物件購入にふみきったこともありました。

調査業者(インスペクター)は最近エッセンシャルワーカーとして認められたので、家の中に入ることができるようになりました。
しかし、ここでも家の中に入る人間は一人だけとされており、買い主や仲介業者と一緒には入ることは許可されていません。

購入手続きの工夫

購入手続きに関しても、さまざまな工夫がされています。

今までは、弁護士事務所に関係者が10人ほど集まって契約を行っていたので、数時間で終わっていました。
現在は、集まることができないため、

  • 駐車場で各自の車からは全く出ないことを条件に弁護士だけが会う
  • もしくは、書類・鍵や手数料の小切手などをすべて郵送対応にする

など、時間はかかりますが弁護士だけで対面でやらないように工夫されています。

尚、仲介業者は原則として参加できません。
売り主と買い主、それぞれの弁護士も在宅で出来ることは済ませ、なるべくオンライン決済を利用し、従来の小切手を書いて渡すという作業も減らしています。

特にニューヨークは、西海岸に比べてなかなかオンライン上での契約ができず、弁護士にも歓迎されていませんでした。
しかし、この状況下でやらざるを得なくなり、最近ではスムーズになってきたので、今後も継続した方が良いという話になっています。

今までのように、エージェント・売り主・買い主などたくさんの人が集まる必要な全くないということが分かりました。

ライフスタイルの変化

【ここから先は会員(無料)の方のみご覧頂けます 】
 会員登録(無料) >