【特別対談】クラウドファンディングのキーパーソンに聞く!保証付きファンド登場の背景と日本の金融マーケットにかける期待とは?(後編)

投資

資産形成や金融マーケットへのインパクトをもたらす新しい事業に取り組み始めた両社のキーパーソンに、保証付きファンドの取り組み、「新型コロナウイルス」のファンドへの影響、両社の今後のビジョンなどについてお話を伺いました。
前編の記事はこちらよりご覧ください。

尚、当対談は緊急事態宣言解除の直後に行った為、全員マスクをした状態での対談となります。写真はすべてマスクをした状態となりますので、あらかじめご了承ください。

クラウドファンディング案件の対投資家への説明視点

投資家目線で伝えるCAMPFIREグループの情報発信とオンラインセミナー

久保氏 クラウドファンディングも金融商品であることは意識しないといけません。
審査はさることながら、投資家への説明、応援という部分でのメッセージ性も重要だと思いますが、投資家に対する説明について意識している点や取り組みについて教えてください。

中山氏 適合性と情報開示が重要だと考えています。
当社の金融型クラウドファンディングは匿名組合契約形式なので、スキームを含めていかに分かりやすく投資家へ伝えるかは難しい面がありますね。
図や分かりやすい文章を含め、さまざまな工夫をしています。

久保氏 実際、CAMPFIREさんでは、案件の見せ方やリスク説明に関して、投資家の目線で気をつけていることはありますか?

井形氏 対投資家への発信は、まだ正解が見つかっていないと感じているのが正直なところです。
当初は応援や支援という「CAMPFIREらしい文脈」で事業の魅力を伝えることに重きを置くべきだと思っていたのですが、今は、「いかに事実を示せるか」、「安心してもらえる情報をお伝えできるか」、「この事業・この人いいな、応援したいな」という気持ちを引き出すような伝え方を、正解が見つからない中で探している状態です。

あとは表現の部分というよりは、伝える場や機会を増やすことはできないかと考えて、個別ファンドの説明会としてオンラインセミナーを開き、個別の投資家さんからの質問を受け付けられる機会を増やしていけたらと思っています。

久保氏 オンラインセミナーをファンドごとに開催されているのは、投資家目線で本当にすごいなと思います。

荒木氏 少しでも投資家との接点を増やそうと思っています。
セミナーに参加いただける方はもちろんですが、セミナーを告知することによってCAMPFIREグループの取り組みやファンド情報が世の中に出回ることで更なる認知向上を目指しています。
なるべく多くの人の目に触れる機会を作るという意味でも、やれることは全部やる姿勢で取り組んでいます。

投資家への「顔が見える」情報発信で、事業者に副次的な効果も

荒木氏 内容を分かりやすくかみ砕いて、投資家に満足いただけるよう伝えるのはもちろんですが、「顔が見える」という点も一貫して取り組んでいる点です。
これまで取扱った案件では事業者の会社名や、事業概要を掲載することと合わせて、なるべく代表者の方にはご本人の写真とともに、積極的に自身の事業をアピールする場にしていただくようお願いしています。

財務数値などの客観的な数値と合わせて「将来、このように伸びる!」というのを描いていただくことが結果として投資家の安心につながると考えています。
投資を募れるメディアって世の中になかなか無いですから、これはこれで面白い読み物になっていると思っています。

実際、当社でファンドを取り扱って、それを機に商談が増えた事業者さんもいて副次的な効果もあります。
銀行やノンバンク等の金融機関からの借入と比較すると金利は高くなりますが、クラウドファンディングで資金調達することによる副次的な効果に対して付加価値を提供できるサービスにしていきたいと考えています。

久保氏 当社も投資家への説明という点は難しいと思っていて、先ほどのお話しにもありました通り「顔が見える」事業者ということで、出している事業者とそうでない事業者がいるのですが。

SAMURAI証券としては、金融からの入り口というのがメインなので、スキームやどういう構成で商品を作っているのか、リスクについてはどうなのか、という点の整理と情報提供は意識していますね。

「保証付きクラウドファンディング」登場の背景とファンドに込めた思い

SAMURAI証券が保証付きファンドを始めた背景とは?

久保氏 「保証付きクラウドファンディング」に2019年3月から着手し始めて1年ほど経つのですが。
スタートしたときの思いは、「銀行で融資する際は必ず保証を入れるのに、なぜ投資型は保証を入れないんだろう」、「保証を入れることによって、自分たちが小さな銀行になれる、個人が銀行と同じことができる」ことを目指しています。

貸付先の説明、リスク説明、資金使途、モニタリングに加え、スキームそのものに対して保証が付いて、何かあったときも保証会社が保証を履行してくれる形を作りたいと思って始めましたが、幸いにも反響があって「SAMURAI証券=保証付きクラウドファンディング」という印象がついたと感じています。

「保証付きクラウドファンディング」が、どのようなものなのかにフォーカスして昨年・今年とセミナーを開催して、セミナー以外の記事でも保証について説明をするように意識をした結果、良い反響が得られるようになりました。

CAMPFIREの保証付きファンドへ寄せられた大きな反響

久保氏 今回、CAMPFIREさんが新たに「保証付きクラウドファンディング」にチャレンジされたわけですが、どういった経緯で始められたんですか?

荒木氏 投資家の声を聴く中で、「支援や応援というメッセージはすごく好きだけど、やはりリスクが気になる」という声をいただき、もっと保全が図られたスキームがあれば投資がしやすくなると考えました。

業界として過去に大きく元本割れするようなファンドが出てきていた中では、どんなに利率が高くても経済合理性はないと思うので、100%保全ではなくても、保全できる方法を設計しないといけないと感じていました。

もともと当社としても保証スキームはずっとやりたいと考えていて、いくつか検討しているアイディアがありましたが、今回、保証会社に積極的に相談に乗っていただけたので、お話が進んだという経緯です。

久保氏 実際の反響はどうでしたか?

井形氏 「2号は出ますか?」など、次を期待する声は沢山いただいていますね。

投資家の皆さんに「意外だな」という印象を持っていただいたんだな、というのが所感です。「まさかCAMPFIREが保証付きクラウドファンディングを出すなんてびっくりした」という声は多かったです。

CAMPFIRE全体で「挑戦する人を応援」というイメージを持ってくださっている方が多いのか、どうしても事業者のほうを向いているプラットフォームという印象があるのだと思います。
投資家からは「資金需要者と投資家をつなぎ合わせる場ではあるが、中立よりは少し事業者向けのプラットフォーム」という見方をされていたようです。

でも「保証付きクラウドファンディング」は、事業者・投資家どちらにもメリットはあるのですが、どちらかというと投資家にとって、よりメリットが大きいスキームだと思いますので、それをCAMPFIREがやるとは思わなかったということで、投資家の方からは好意的に受け止めていただいた印象です。

両社の直近取り組みや中長期ビジョン

SAMURAI証券:「SAMURAI FUND Lite」を起点に、インフラとしての直接金融の浸透とボリューム拡大を目指す

久保氏 最後に2つお伺いしたいのですが、2020年の抱負と中長期的な展望をお聞かせください。

中山氏 当社が目指すところは変わらず、銀行預金に代わって金利が得られる、安心安全な投資先・資産運用先となることです。

保証を手厚くしながら、現在は一部非開示の案件(匿名案件)もありますが、今後は実名案件の数を増やすなど情報開示の透明性を高めながら、直接金融インフラとしてのボリューム、認知と幅を、投資未経験の方々へもあまねく広げていきたいと考えています。
それが本来の我々の向かうべきところですね。

とはいえ、その入り口としては相変わらず、金融はハードルが高い、手続きなどが面倒くさい、難しいというイメージがあるのも事実です。
そこで、SAMURAI&J PARTNERS株式会社の連結子会社が提供する購入型・寄付型クラウドファンディングサイト「SAMURAI FUND Lite」で当社グループが提供するクラウドファンディングサービスの認知度を高めて、投資家が投資や資産運用に参加しやすくなる環境が浸透するように取り組んでまいりたいと考えています。

しかし、クラウドファンディング業界の課題はたくさんあり、業界そのものがまだまだこれから社会的認知を得て、拡大する必要があると思っています。
特にここ数ヶ月は「新型コロナウイルス」の影響も大きく、一旦、市場が立ち止まっている状況もありますので、ビジョンや方向性を同じくする業界の方々と力を合わせて、クラウドファンディングを社会的なインフラにしていきたいですね。

CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL:評価される案件づくりで認知度を高め、取り扱い残高100億円を目指す

荒木氏 私たちの担当がCAMPFIRE Ownersという融資型クラウドファンディングなのでそこに限定してお話いたしますが、業界最後発の事業者ですし、まだまだ認知が低いことを課題として感じています。

現在登録いただいている投資家の人数は十分とはいえないですし、購入型クラウドファンディングをご存じの方に事業説明をすると「知らなかった」という声がまだまだ大きいです。
ですから2020年はサービスの認知度を高めていきたい、そのためにやれることはやっていきたいと思っています。

広告発信していくのもそうですが、結局、当社が取り扱う案件の実績が重要だと思いますし、評価されるような案件を作っていかないことには、認知度も高められません。

「投資したいから調べて、サービスサイトにたどり着いて、投資する」という形になると思うので、まずは魅力的な案件を取り扱っていかなければいけないと思っています。

魅力的というのは、事業の性質もそうですが、投資商品として一定程度の安心性、安全性を図ることもポイントです。
保証会社と一緒に取り組んでいる案件をはじめ、事業の内容や金融商品の設計としても魅力的な商品を取り扱っていくことで、事業全体の認知を高めていきたいと思っています。

一方で3年くらいを目途にしていますが、取り扱い残高100億円を目指しています。

今、いろいろと、やりたいことやれていないことがあるのですが、モニタリングや審査など目に見えない人のコストがかかっている部分があり、ただそこをおろそかにしてしまうと投資家に迷惑が掛かってしまいますので、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思っています。

当社がやりたいこと、やるべきことを全てできる体制を整え、まだ世の中に存在しないような魅力的なサービスを積極的に発信していくためには100億円程度の残高が積み上がってくることが必要だと考えています。

そんな魅力のある事業にすることと、事業に興味を持っていただける投資家を集められるサービスにすることを向こう3年くらいで目指しています。

久保氏 当社も投資型クラウドファンディング業界の中では後発組と思っていて、今回、「保証付きクラウドファンディング」を始めたというのもありますし、ぜひ志を一緒にする両社で、セミナー開催やお互いの投資家の声を聴く取り組みなどができるといいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

荒木氏、井形氏 (両氏)よろしくお願いいたします。

写真右から株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITALマーケターの井形翔子氏、株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL取締役兼金融事業部長の荒木隆義氏、SAMURAI証券株式会社代表取締役の中山幹之氏、SAMURAI証券株式会社取締役の久保広晃氏。※順不同

Profile(肩書のみ)

株式会社CAMPFIRE SOCIAL CAPITAL
取締役兼金融事業部長 荒木隆義 氏

株式会社CAMPEFIRE SOCIAL CAPITAL
マーケター 井形翔子 氏

SAMURAI証券株式会社
代表取締役 中山幹之 氏

SAMURAI証券株式会社
取締役 久保広晃 氏

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