【初心者必見】ソーシャルレンディングとは?仕組みや特徴を解説
投資

この前、ソーシャルレンディングに投資してみました!
そうなんですね。ソーシャルレンディングがクラウドファンディングの一つであることは知っているんですが、あまり詳しくなくて…
では、今日はソーシャルレンディングの仕組みやメリットについてわかりやすく解説しますね!
この記事の目次
ソーシャルレンディングの全体像を簡単に解説

ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一種であり、出資をしたい投資家と貸付を受けたい企業側のマッチングサービスです。
貸付型クラウドファンディングとも呼ばれるソーシャルレンディングは、インターネット上で資金を幅広い投資家に募ることができるサービスとして市場を拡大してきました。
ソーシャルレンディングの主な特徴は以下の4点です。
- 取引実績の少ない創業したばかりの企業でも出資を募ることができる
- 企業側は新規事業などの融資がつきにくい案件でも出資を募ることができる
- 投資家側はインターネットを通じてプロが審査を行う様々な企業の案件に投資ができる
- 株などのほかの投資案件と比べて簡単に投資ができる
上記のように企業と投資家の双方に多くのメリットがあるのがソーシャルレンディングです。
ソーシャルレンディングの仕組みとして、出資を行う投資家はソーシャルレンディング会社と商法で規定されている「匿名組合契約」という契約を結びます。これは各投資家とソーシャルレンディング会社との二者間の個別契約で、ソーシャルレンディング会社が事業者に貸付けることによって得た収益を各投資家=組合員に分配する仕組みであり、自分以外の他の投資家の詳細な契約内容を知ることはできないという契約形態です。
ソーシャルレンディング会社は第三者的立場の資金管理会社に出資金の預託や払い戻しの委託を行います。この業者が投資運用を担うソーシャルレンディング会社のその他の資金とは分離して資金管理を行うことで、ソーシャルレンディング会社が万一倒産した場合にも投資家の出資金が投資運用資金以外のことに流用されることを防ぐ役割があります。
ソーシャルレンディング会社は預託された資金を用いて審査した事業者に対して貸付を行い、その案件の償還時には元本の返済を企業にしてもらいます。 この貸付に対する利子の一部が投資家の配当利益となります。
日本と海外のソーシャルレンディングの違い

ソーシャルレンディングの概要や仕組みを簡単に説明しましたが、日本と海外でソーシャルレンディングに違いはあるのでしょうか?
海外と日本での相違点は「どの分野でソーシャルレンディングが盛り上がっているのか」という点です。
ここでは日本や中国、欧米の市場で盛り上がっているソーシャルレンディングの分野を解説していきます。
欧米では個人間融資のソーシャルレンディングが活発
P2Pレンディング(Peer to Peer lending、「Peer」 とは仲間とか同等のものという意味です)ともいわれる欧米のソーシャルレンディングは個人間融資をメインに発展してきました。
欧米では日本のように数多くの消費者金融がないため、個人間融資のソーシャルレンディングが浸透し、現在では不動産や自動車の業界に市場を拡大しています。
中国では法人向けソーシャルレンディングが活発
銀行の融資が国家の監視下にあるため、法人への融資が厳しい中国では法人向けソーシャルレンディングが盛り上がりをみせています。
共産主義と資本主義のジレンマから、利益をあげたいけれど融資が通りにくい状況にマッチしたため、中国では欧米に次いでソーシャルレンディングが普及しました。
インターネットを通して簡単に融資ができるということで広がった中国の法人向けソーシャルレンディングですが資金の持ち逃げなどの不祥事が多く、中国のソーシャルレンディングにおける今後の問題といえるでしょう。
日本では不動産融資のソーシャルレンディングが活発
欧米と同様に個人間融資のソーシャルレンディングから日本のソーシャルレンディングは始まりました。
しかし2011年に個人間融資のソーシャルレンディング事業からmaneo株式会社が撤退するほどに、日本では個人間融資は浸透しませんでした。
原因として考えられるのは以下の2点です。
- 消費者金融が多いため顧客が個人間融資のソーシャルレンディングを利用しなかった
- インターネット環境が普及していなかった
消費者金融が多い日本で、個人間融資のソーシャルレンディングがPRできる部分は「消費者金融より審査が簡単」「多くの金額を融資可能」というところです。
そのため消費者金融や銀行で融資を受けられなかった方が融資を求めにくるため、返済の延滞が問題になりました。
一方で環境面の問題も考えられます。2011年にはスマートフォンが普及していなかったため優良な顧客と出会えていなかった可能性があります。
上記のような理由から個人間融資のソーシャルレンディングが普及しなかった日本では、不動産融資のソーシャルレンディングが普及し始めます。
もともと日本の大手銀行は、短期のつなぎ資金や建築期間中の融資には余り積極的でないところに、不動産バブルの崩壊と共にノンバンクは大手銀行に統合されてしまったため、既存の金融機関から融資を受けられない不動産事業者が続出しました。そんな状況下において、不動産融資のソーシャルレンディングがうまくマッチしたことが理由だと考えられます。
このように不動産融資型から浸透し始めたソーシャルレンディングですが、現在では様々な形で普及しています。
ソーシャルレンディングの市場規模はどのくらい?

日本のソーシャルレンディングの市場規模はどのくらいなのでしょうか?

2015年から2018年までは右肩上がりだったソーシャルレンディング市場ですが、2019年には大きく貸付額を減少させています。
これは当時ソーシャルレンディングの最大手企業が行政処分を受けたことから、新規募集を停止したことが大きな要因として考えられます。
2019年で大きく貸付額を減少させているソーシャルレンディング市場ですが、新規ソーシャルレンディング会社であるファンズ株式会社や株式会社COOLが新規参入をしたりすることで今後も市場規模は拡大していくと考えられます。
ソーシャルレンディングのメリット

ソーシャルレンディングにはさまざまなメリットがあります。
ここでは代表的なソーシャルレンディングのメリットを2つご紹介します。
ソーシャルレンディングの利回りは5%前後
以前は年利10%前後という破格の利回りの案件が多くありましたが、現在のソーシャルレンディングの年換算利回りは5%前後です。
利回りだけで見ると5%も落ちていると考えてしまいますが、投資において利回り5%は悪い数字ではありません。
しかし「株式投資は年利3%あれば良いほう」「FX投資を行う人の90%は損をする」「国債の利回りは0.05%」と言われるように、「利回りが5%前後」はほかの投資案件と比べても良い利回りなのです。
手軽に投資が可能
株式投資やFX投資などで利益をあげようとすると、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析はもちろん、日々の経済ニュースを確認する必要があります。専業トレーダーなら可能かもしれませんが副業で投資をしたい方にとっては、時間の確保やモチベーションの維持が非常に厳しいでしょう。
しかしソーシャルレンディングでは自分が投資を行う案件のみを調査すれば良いため、ほかの案件に比べて手軽に投資が可能です。
ソーシャルレンディングのデメリット

ソーシャルレンディングのメリットを解説しましたが、デメリットはあるのでしょうか?
ここでは代表的なソーシャルレンディングのデメリットを解説していきます。
ソーシャルレンディング会社の不祥事
以前あるソーシャルレンディング会社は、返済期日が迫り予定された返済が困難な案件の返済資金を他のファンド案件から資金流用したり、当初の事業予定とは違って貸付先の親会社の赤字状態を解消するための増資資金などにも出資金を充当していたりしました。
また、投資家から集めた資金を社長個人の借金返済に使うなど、投資家に対する不正行為もありました。その結果、行政処分によって悪質な運営体制が明らかになったことから、投資家から集団提訴をされました。
ソーシャルレンディング投資は比較的新しい投資手法であり、投資家に対する情報開示について法整備がまだ明確に定まっていません。ゆえに上述のような投資家に対して信頼を損なう行為を行うずさんな会社が散見されました。
貸付企業のデフォルト
投資家から資金運用を委託されたソーシャルレンディング会社は事業会社に融資を行いますが、投資家にとってはあくまでリスクを負う出資です。貸付先企業が予定していたパフォーマンスを出すことができなければ貸付金が償還期限を超えて遅延したり、返済されず払い戻し金が毀損するケースもあります。
ソーシャルレンディングを利用する企業は、銀行などの大手金融機関での融資が受けられない事業である場合が多いため、新規事業や当初計画通りに実行されるか微妙なハイリスク案件が多数存在します。
リスクのある状況でもリターンを上げやすい案件をスクリーニングすることがソーシャルレンディング会社の仕事ですが、まだまだソーシャルレンディング市場は成熟していないため、悪質な案件があることも事実です。
このようにソーシャルレンディング投資は「怖い」「危ない」と思われるかもしれませんが、大事なことは目先の「高い利回り」だけに飛びつくのではなく、自らの目で投資内容に付いて調べて、実績がある信頼のおけるソーシャルレンディング会社が組成する適切な案件を選ぶことが肝要です。

まとめ
今回はソーシャルレンディングについて仕組みやメリットデメリットを紹介してきました。
ソーシャルレンディングは海外に比べて日本の成熟度は低く、ハイリスクな案件も多いです。
しかし、実績があり信頼のおけるソーシャルレンディング会社を利用することや投資家自身が案件を見極めることから大きなリターンを得ることができます。
高利回りに飛びつくのではなく、適切なリスク管理をしながらソーシャルレンディングに投資をしていきましょう。