【連載:不動産投資における賃貸物件の保証人問題⑥】~失われたタテ社会の結びつき(古き良き大家と店子の関係)~

投資

前回は、家賃債務保証会社に依頼せずに大家自身が一連のサービスを行った場合、どの程度の経済的な費用が発生するのか、ワンルームマンションの事例でシミュレーションしていただきました。

家賃債務保証会社を利用する目的には、こうした経済的な負担だけでなく、大家と賃借人の間で発生する精神的な負担の軽減もあります。
今回は、家賃債務保証のシステムが普及した背景を経済的な側面以外からも解説します。

大家と店子の経済原理を超えた結びつき

江戸時代の落語にもよく登場する「大家といえば親も同然、店子(賃借人)といえば子も同然」といった繋がりは、日本のタテ社会を象徴する結びつきでしょう。その属人的な関係は日本独特の長屋文化に由来するのかもしれません。

今から40年程前、私の親戚が経営しているアパートに入居している学生が困った表情で現れたそうです。その学生は「希望の就職先に晴れて決まったものの、内定先に提出する書類の保証人を探している」との相談でした。
親戚はその学生が複雑な家庭環境で育ち、上京してきた境遇を知っていたことに加え、日頃から真面目な生活態度を見ていたので、保証人を引き受けたそうです。

そして、それから20年以上の時が流れたある朝、親戚は新聞の人事欄に目を通すと、その時の学生は就職した先で重役に就任したという記事を見てビックリしたそうです。親戚はこのエピソードをその後も嬉しそうに語っていました。

しかし、こうした大家と店子の経済原理を超えた結びつきは昔の話。少なくとも現代の都心において属人的な関係性は消滅したと言っても過言ではないでしょう。
そのことが分かる、大家と賃借人の間で起きた不幸な事件について触れてみます。

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