FXの自動売買とは?メリット・デメリット・ツールの種類などを解説します
投資

FXにはツールを使った自動売買というものがあります。自動売買というと、すべて自動でやってくれるのか?AIはそこまで進化したのか?と思われるかもしれません。自動売買なんておいしい話があるなら、誰でも勝ててしまうではないか、そんなことがあるはずないだろう、と思われる方もいるでしょう。
事実、自動売買は利便性が高いものの万能ではありませんし、ツールを使う人が無知でも勝てるというわけではありません。では自動売買のツールはどのようなものなのか、仕組み、メリット、デメリット、種類などについて解説していきます。
この記事の目次
FXの自動売買とは?

FXの自動売買は、ツールを使って自動的に売買する仕組みです。では人間は何もしなくて良いのか、ツールが分析して勝手に動いてくれるのか、というとそんなことはありません。自動売買ツールにもいくつか種類があるのですが、いずれにしてもツールの選択や、設定は自分で行う必要があります。
ツールによって詳細は異なりますが、イメージとしては人間が設計をして、それに従ってツールが実際の取引を行うということです。AIが方針からすべて自動で決定するというわけではなく、取引のルールを決めるのはあくまでも人間の役割です。
一部上記に該当しない例外のツールもあるのですが、こういったツールはむしろ注意が必要なので詳しくは後述します。
FXの自動売買ツールを使用するメリット

FXの自動売買ツールを使用するメリットは以下です。
- 24時間勝手に取引してくれる
- 感情に振り回されずに済む
大きく分けると上記2つがメリットとして挙げられます。
24時間勝手に取引してくれる
FXは株式と違って24時間取引が可能で、悪く言えばそれだけ取引チャンスを逃す可能性も高いということです。特に普段別の仕事をしている方などはなかなか張り付いてチャートを見ているわけにもいかず、後からチャートを振り返って「このとき取引していれば儲かっていたのに」と思うかもしれません。
しかし自動売買ツールを設定しておけば、自分の意図した形で売買してくれます。自分がチャートに張り付いていなくてもツールが代わりにやってくれるので、これは大きなメリットでしょう。
感情に振り回されずに済む
FX取引でよく言われることですが、利益確定と損切りのタイミングはあらかじめ決めておくべきという話は多くの方が耳にしたことがあるでしょう。人間には感情があるので、どうしても「もっと利益が伸びるのではないか」「下がったけれどまた持ち直すだろう」といったことを考えてしまいます。
引っ張った結果うまくいくこともあるかもしれませんが、失敗すれば損失も大きくなる場合が多いです。FXは取引の繰り返しでトータルで儲かれば良いので、引っ張って資金がショートするリスクを背負うくらいなら細かく利益確定と損切りを繰り返していった方が現実的でしょう。
もちろん長期保有の場合は例外ですが、FXの長期保有はハイリスクで精神衛生上もあまりよくないということは多くの方がご存じかと思います。感情に振り回されずに短期的に利益確定と損切りを繰り返すという意味では、ツールによる自動売買は非常に合理的と言えるでしょう。
FXの自動売買のデメリット

FXの自動売買にはデメリットもあり、具体的には以下です。
- ツールの選択、設定を誤る可能性がある
- 局面に応じてツールも変更が必要
まずFXの自動売買のツールは複数の種類があり、どのようなロジックで取引するかが異なります。また同じロジックでも単純に売買の設定金額などは自分で変更できます。ロジックや金額設定が悪いと、当然損をする可能性が高くなります。
次に、ある局面ではロジックや設定金額が適切だが、局面が変わったらロジックや設定金額が不適切になる、といったこともあります。自動売買だからといって長期的にチャートから目を離していると、局面が大きく変わって当初の想定とは異なる形で取引が進んでしまうことがあります。
またどんな局面でも使える万能なロジックや設定金額というものは基本的にないので、ツールを導入したからといって完全にツール任せの自動取引だけに頼るのはリスクがあると言えるでしょう。
FXの自動売買ツールの種類

FXの自動売買ツールは種類が多いため、厳密には以下で紹介する種類に該当しないものや、複数の種類をまたいでいるようなものもあります。しかし大枠では以下の4種類に分類できます。
- リピート型
- 選択型
- 設定型
- メタトレーダー
名前だけだとイメージがつかみづらいかと思うので、それぞれ解説していきます。
リピート型
リピート型はもっとも王道の自動売買ツールと言えるでしょう。取引のロジックはシンプルで、基本的には売買の金額をあらかじめ設定し、為替レートが設定金額になったら取引を実施するというものです。
局面が変わった場合も設定金額を変更すれば良いだけなので、運用の負担も少ないという特徴があります。
選択型
選択型とは、あらかじめ用意されたツールを選択するだけという意味です。言い換えれば、自分でツールの設定をすることがありません。選択さえすればあとは自動で取引が行われます。
ただし逆に言えばツールの選択が重要になる方法で、なおかつ一種類のツールだけに依存するのが危険な方法とも言えます。局面ごとに複数のツールを用意しておいて切り替えるといった対策が必要になるでしょう。
設定型
設定型は、自動売買ツールを自分でカスタマイズする方法で運用します。リピート型のように単に金額を設定するだけでなく、ここでは詳細は割愛しますがより細かく設定する項目があります。
設定の難易度は高いですが、逆に言えばいろいろな局面を想定して設定すれば後々運用の手間は少なく、また局面が変わった際も自分で設定を変更できます。選択型に比べると、用意するツールの数は少なくても問題ないということです。
メタトレーダー
メタトレーダーはツールというよりはツール設計、開発のための土台です。つまり実際に自動売買ツールとして使用するためには、自分でプログラミングする必要があるということです。
FXトレードのスキルとプログラミングスキルの両方が必要になります。プログラミングによってテクニカル分析を行い、分析結果ごとの売買をあらかじめ組み込んでおくようなことも可能です。
FX自動売買ツール選びの注意点

上でご紹介した通りFXの自動売買ツールは複数の種類があるので、自分が使いこなせるものを選択する必要があります。これは当然の話なのですが、もう一点重要な注意点があります。
それは、「ロジックが明確になっているツールを選ぶ」ということです。IT用語でブラックボックス、ホワイトボックスという用語があるのですが、これは中身が見えるか見えないかということです。
つまりブラックボックスはロジックが不透明なツール、ホワイトボックスはロジックが透明なツールということになります。ロジックが透明と言っても、たとえばソースコードを見る必要はありません。
普通にツールを使用するだけなら、プログラミングの知識は必要ないからです。ただし、どのような判断基準で売買を決定しているのか不明なツールは避けるべきでしょう。上でご紹介した種類の中だと、選択型に該当するものにブラックボックスのツールが混ざっています。
「このツールを利用すれば利益率が上がります」「取引の判断基準など詳細は企業秘密です」といったツールはリスクが高いです。ロジックが不明なツールに大事なお金は預けられないので、選択型を選ぶ場合もそのツールがどのような基準で取引を実施するのかロジックを確認し、「これなら利益が出そうだ」と納得した上で導入する必要があるでしょう。
まとめ

FXの自動売買ツールは利便性が高く、忙しい方でも取引のチャンスを逃さずに済みます。また取引を自動化しておけば感情に流されて利益確定や損切りが遅れる心配もありません。
ただし自動売買ツールが万能というわけではなく、局面によってツールの選択や設定を見直す必要があります。放置していると想定外の形でツールが動き、損をしてしまう可能性があります。
自動売買ツールを導入したら安泰というわけではないので、うまく選択、設定し、人間による判断とツールの併用を試行錯誤していく必要があるでしょう。