【前編】不動産投資物件の利回りで見る最新の相場観は

投資

同じ不動産でも自宅用の不動産とは異なり、不動産投資物件(収益不動産)の購入を検討する場合、投資の観点で検討しなければなりません。

不動産投資ではキャピタルゲインを目指す手法もありますが、現在ではインカムゲインを目指す不動産投資が主流となっていると聞きました。

このインカムゲインを狙った不動産投資では、物件の購入判断において重要な指標の一つが「利回り」となります。
そこで、この記事では利回りについて確認しながら、利回りに着目して最新の不動産投資物件の相場観をご紹介します。

不動産投資の相場観は利回りで掴む

不動産投資では、不動産の条件や価格だけでなく、利回りで相場観を掴むのが一般的です。自宅用の不動産では、自分や家族の居住性と住宅ローン返済など、資金面を踏まえた予算とのバランスを考えて物件を選びます。その際、最も重視されるのはやはり物件の価格です。

一方、不動産投資物件を選ぶ場合、価格や資金調達も大切ではあるものの、一定の収益を確保できなければ投資に値しません。そのため、不動産の収益性を表す指標の一つである利回りを重視して判断していきます。

投資用不動産の相場観は「この条件の物件がこの利回りでは(相対的な価格が)高いあるいは安い」といった具合に、収益性を踏まえた利回りで掴んでいきましょう。

不動産を構成する要素により、利回りの相場が異なる

地域、用途(住宅・商業)、構造(木造・RC造など)、築年(新築・中古なら築年数など)といった不動産を構成する要素により、相場を形成する利回りは異なります。同じ地域にある不動産でも、構造や築年の違いによって異なった相場が形成されることになります。

以下では、不動産の内容によってどのような利回りの傾向があるのかを見ていきましょう。

金融機関も独自の利回りの相場観がある

不動産投資では、住宅ローンではなく、アパートローンなどの投資用(事業用)ローンを利用します。投資用ローンを提供する金融機関では、融資を判断するために独自の審査基準を設けています。

例えば、基準の一つに「地域」「建物の構造」「築年」といった不動産の条件に合わせた期待利回りを設定しているケースがあります。横浜・川崎市内の新築木造アパートなら表面利回りで7%以上、他の神奈川県内であれば8%以上といった具合です。

この基準をクリアする物件であれば融資額いっぱいまで融資可能、あるいは基準をクリアできる範囲までの融資額とする、といった判断が下されます。

価格の設定も利回りを基にしている

投資用不動産を売る側も利回り、特に表面利回りを基準にして価格を決めています。そのため、不動産投資物件では同じような物件であっても、その時点の収入が多ければ価格が高く設定されます。

例えば、現在の周辺相場で期待される利回りが5%の地域で、ワンルームマンションA号室の家賃が月10万円であれば年間の家賃収入は120万円、相場の利回り5%で割り戻した価格は2,400万円となります。
同じマンションで同じ面積・間取りのB号室の家賃が9万円であれば年収108万円、同じ利回りで割り戻した価格は2,160万円となります。
Aの部屋とBの部屋はほぼ同じであるにもかかわらず、設定される価格に240万円の差が出てきます。 

このように、投資用不動産の価格は利回りから逆算して設定されるため、物件の検討段階で、その価格設定の根拠となった利回りと収入の詳細を精査することが重要です。

グロス(表面)利回りとネット(実質)利回り

利回りと一口に言っても、根拠の捉え方で利回りが大きく異なります。利回りにも種類があり、大きく分けてグロス利回り(表面利回り)とネット利回り(実質利回り)があります。

不動産投資用の物件情報には、グロス利回りが記載されているのが一般的です。ほとんどの投資用不動産の情報で提示されているため、最初の物件比較の段階ではグロス利回りで検討します。

グロス利回りを見るときの注意点

グロス利回りは、その不動産から得られる年間収入を物件価格で割ったものですが、特に一棟物件(マンション・アパート・ビルなど)では、収入源が家賃収入だけとは限りません。駐車場収入や自動販売機の収入、携帯基地局としてのアンテナ賃料など様々なものがあります。グロス利回りを比較する段階で、収入の内容も確認する必要があります。

また、空室部分の想定家賃には細心の注意が必要です。空室部分の家賃収入はあくまで想定であり、その収入が入ってくるとは限りません。想定家賃の場合、見た目のグロス利回りを上げるため、相場より高い家賃が設定された見せかけというケースもあります。空室部分に設定された家賃が相場から逸脱したものでないか、想定のグロス利回りが無理のないものかを確認することもポイントです。

ネット利回りを見るときの注意点

ネット利回りは、具体的な個別物件を検討する際に確認しておきたいものです。ネット利回りを算出するには、不動産の維持・管理にかかる費用を知らなければなりません。

物件によっては、最初から維持・管理費用の総額が提示されているケースもありますが、売主からすると費用は誰にでも開示できるものではありません。そのため、購入を具体的に検討という意思表示をしないと費用の詳細は提示されないケースが多いです。従って、ネット利回りについて確認するためには、購入に向けた話を進めるか、具体的に検討したいという意思表示をする必要があります。

また、提示されたネット利回りの根拠となる維持・管理費用の内容については、あくまで売主が支払っているものなので、新たに所有した場合に必要な維持費が計算に入っていない場合があります。例えば、現在は自主管理をしている場合、賃貸管理を委託した場合の費用や設備等の点検費用などは計上されていません。その場合は、自身が所有した場合にかかる費用も追加してネット利回りを計算する必要があります。

次回は、不動産の内容によってどのような利回りの傾向があるのか、現在の利回りの相場観を解説していきます。


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