【専門家に聞いてみた】税制改正で変わる!海外中古不動産の節税事情 その2

海外不動産

前回に引き続き丸山先生にお越しいただきました~(ぱちぱちぱち)

こんにちは。
前回の記事の通り、会計検査院の指摘がきっかけで国外中古不動産を使った節税スキームを封じる改正が今回の大綱に盛り込まれることになりました。
さて、ではそもそもどういった節税スキームだったのか、スキームの肝となる考え方を三つに分けて説明していきましょう。

耐用年数について

「減価償却」ってなに?

中古資産の耐用年数の説明の前に、まずは「減価償却」と「法定耐用年数」について説明していきますね。


賃貸物件のオーナーになったとしましょう。
まずは家賃収入を得るために、貸し出すための物件を購入します。

さて、この購入した建物の費用。

物件を購入した費用は、経費として計上することができます。
しかし、購入時一括で経費になるのかといえば、そうではありません。

「減価償却」といわれる方法で計上します。

一般的な建物は何十年と住み続けることができるので、建物の購入費用は住んでいる期間に応じて少しずつ経費化されます。

例えば、1,000万円の建物に10年住む場合、1年に100万円ずつ10年間で経費にするというイメージです。

期間1年目 2年目 3年目・・・10年目
経費100万円 100万円 100万円・・・ 100万円
残りの経費900万円800万円700万円・・・0円

このように一括して払った大金を、その利用の実態に応じて少しずつ経費化することを「減価償却」といい、その経費を「減価償却費」と呼びます。

新築の法定耐用年数

しかし、ここで一つ疑問が。

どんな建物に何年住むのか、そもそも何年住めるのか、というのはまさに購入者・居住者次第です。
また、子供と一緒に住むのか、修繕に力をいれるのか等々、物件の寿命は変わってきます。
物件購入者が主観的にエイヤ!と耐用年数を決めていては、経費計算の公平性を保てません。

経費の計上する期間はどうやって決めればいいの??

安心してください。
もちろん耐用年数にはちゃんとした規定がありますよ。

税法では、【構造・用途】に対する【耐用年数】を規定しているのです。
法律で定めた耐用年数なので「法定耐用年数」といいます。

例えば新築住宅の建物の場合の法定耐用年数は、

  • 22年 新築-木造
  • 47年 新築-鉄筋コンクリート

と決まっています。

2,200万円で木造新築物件を購入した場合、年間100万円を22年間にわたって経費計上します。

中古資産の法定耐用年数

さて、今までのお話は新築建物についてでした。

では、中古建物はどうでしょう?新築建物と同じなのでしょうか??

当然、築何年かどうかで耐用年数は違ってきますし、前オーナーの使用方法によっても物件の状態は変わってきます。
新オーナーはどうやって耐用年数を決めればいいのでしょうか。

原則的には、残りの耐用年数を用いることになりますが、その見積もりが難しいときは、簡便的な方法で算出できるよう規定されています。
中古資産が法定耐用年数を経過しているかどうかで計算方法が変わりますが、中古資産が法定耐用年数を経過しているケースで簡便法を説明すると、

中古資産の耐用年数=法定耐用年数×20%(端数切捨て)

  • 4年 中古-木造
  • 9年 中古-鉄筋コンクリート

となります。

先ほどの法定耐用年数と見比べてみてください。

2200万円で築22年経過の木造物件を購入した場合、年間550万円を4年にわたって経費計上します。
新築の場合、年間の減価償却費は100万円でしたね。
耐用年数が短ければ短いほど、早期に経費計上されることになるのです。
耐用年数の違いで長期的に計上される減価償却費の総額は変わりませんので、税率が一定であれば純粋な節税にはなりませんが、早期に減価償却費を計上することで短期的な視点では節税にはなります。
いわゆる「課税の繰り延べ」というやつです。

税率

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連載:税制改正で変わる!海外中古不動産の節税事情

1. 税制改正で変わる!海外中古不動産の節税事情 その1
2. 税制改正で変わる!海外中古不動産の節税事情 その2
3. 税制改正で変わる!海外中古不動産の節税事情 その3

税理士法人"新みらい会計"