コロナウイルスで旅行や結婚式をキャンセル。キャンセル料って払わなきゃいけないの?【弁護士が分かりやすく解説】

生活

ゴールデンウィークの旅行を楽しみにしていたんですけど、緊急事態宣言を受けてキャンセルしたんです。。。
とても楽しみにしていたんですけどね。。。

それは残念でしたね。
新型コロナウイルスの流行やこれに伴う外出自粛や緊急事態宣言発令を受けて、予定をキャンセルしたという方は多いですよね。

結婚式やパッケージツアーをキャンセルしたら、式場や旅行会社からキャンセル料を請求されて困惑してる、って声も耳にします。
コロナウイルスが原因でキャンセルしても、キャンセル料って払わなければいけないんでしょうか。。。

気になるところですよね。
それでは、今回は新型コロナウイルスの流行拡大に起因するキャンセル料についてお話しますね。

キャンセル料ってなに?

まず、「キャンセル」とは成立した契約を解除することを指します。

そもそも契約は、締結後に相手に何らかの契約違反がある場合を除いて一方的にキャンセルすることはできません。
自由に契約をキャンセル(解除)できたら、契約を締結した意味がありませんので、「契約を一方的にキャンセルできない」のは当然です。

ですが、例えば旅行の直前に体調不良になった場合に「一度契約した以上は解消できないから」として、無理やり旅行へ行き、その代金を支払わなければならないというのは、消費者保護に欠けることにもなります。

そのため、旅行会社は相手方(旅行者)からの一方的な契約の解除 = キャンセルを認めた上で、キャンセルされた日程に応じたキャンセル料を設定しています。
このようなキャンセル料は、通常は「損害賠償の予定」(民法420条)の一環と整理されます。

民法420条【損害賠償の予定とは?】

民法420条1項は「債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる」と規定していて、

具体的には、

「相手の債務不履行があった場合に、実際に損害が生じたか否か、生じたとしてその損害額はいくらかといった点にかかわらず、予め合意した金額や計算方法に基づいて損害賠償を相手に請求できるという合意」

を意味します。

つまり、約束を守らなかった場合は、理由に関係なく約束通りの金額や内容でお金を請求できるという意味です。
イメージとしては「違約金」のようなものですね。

結婚式をキャンセルした場合

それでは「結婚式場を新郎新婦側の都合でキャンセルした場合」を例に考えてみましょう。

  1. 新郎新婦は日程を決めて結婚式場と契約
    この時点で契約は成立しました。新郎新婦と式場はお互いに契約を守らなければいけません。
  2. 式場側はその日時で会場を確保
    その日時で他の申込みがあったとしても断ることになります。
  3. 新郎新婦側の都合で契約がキャンセル
    「衣装の購入(レンタル)」「料理」「神父(神主)さんや聖歌隊(巫女)」等をキャンセル、会場の利用時間枠もキャンセルとなります。

式場は会場を「時間で貸し出し」することで利益を上げているので、キャンセルにより空いたまま時間が過ぎると損失となります。
もし他の利用者と契約して式が行われれば、式場は代金を受け取ることができました。
つまり、式場には実費分だけでなく本来得られるべきだった利益も損失していることになります(これを逸失利益といいます)。

このような理由から、新郎新婦が契約をキャンセルした場合に式場側は新郎新婦に損害賠償を請求することができます。

しかし「他の利用者と契約していたらどのくらい利益が得られたか」なんて、もしもの話をどうやって損害金額を計算するのでしょうか?

結婚式のプランによって費用はさまざまなので、正確な逸失利益を計算することはほぼ不可能です。
なので「損害賠償の予定」について説明したように、実際の損害額を問わずキャンセルの日程だけを基準としてキャンセル料を定めることは、双方にとって合理的かつ現実的な落としどころと言えます。

このようなニーズに応じて合意されるのが「キャンセル料」です。

新型コロナの流行でやむを得ずキャンセルした場合

キャンセル料って払わないといけないの?

キャンセル料について話をしてきましたが、そろそろ本題にうつりましょう。

ずばり、

新型コロナの流行を理由に結婚式や旅行を自粛した場合でも、キャンセル料を払わなければならないのでしょうか?

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