グリーン敗戦とは日本の脱炭素化が遅れを取っていること!今後どうなる?

生活

グリーン敗戦とは、日本の脱炭素化・サステナビリティ対応が遅れを取っていることを指す言葉です。2019年の欧州グリーンディール政策にちなんで名付けられました。今後、日本はどう変わっていくのか、また、脱炭素化に成功している国の現状について詳しく解説します。

グリーン敗戦とは脱炭素化の遅れのこと

エコ意識が高いヨーロッパでは、かねてよりクリーンエネルギーを推進し、地球温暖化につながる二酸化炭素の排出を抑制しようという動きが活発でした。実際に二酸化炭素の排出量に合わせて「排出権」を購入する仕組みもあり、石炭や石油などの化石燃料や天然ガスなどを安易に利用できないように制限しています。また、「炭素税」の導入も進められており、さらに脱炭素化の強化に努めていくことが明らかです。

脱炭素化の流れに乗ることを、環境問題について2019年に欧州で合意された「欧州グリーンディール政策」にちなんで「グリーン戦争」と呼ぶことがあります。脱炭素化の波に乗り遅れた日本はグリーン敗戦国です。国だけでなく事業者、個人単位でも、より一層の脱炭素化を進めていくことが必要だといえるでしょう。

2050年までにカーボンゼロを目指す

欧州グリーンディール政策では、2050年までにカーボンゼロ、つまり二酸化炭素の排出量をなくすことを目標に掲げています。2020年、日本でも同様に、2050年を目途に温室効果ガスの排出をゼロにすることを宣言しました。世界、そして日本も、再生可能かつエコロジーなクリーンエネルギーの利用にシフトしていく過渡期にきているといえるでしょう。

アパレル業界の環境負荷の高さが問題に

二酸化炭素の排出量が多い業界としては、自動車産業が挙げられるでしょう。自動車を生産するために多大な金属や石油などが必要になることは誰にでも容易に想像でき、実際に全産業で排出する二酸化炭素量の約8%を自動車産業が占めています。

アパレル産業が排出する二酸化炭素量も、自動車産業と同じく約8%です。しかも、アパレル産業は土壌にも悪影響を与えています。綿花畑の作付面積は世界の畑地のわずか3%しか占めませんが、世界中の殺虫剤の使用量の約15%が投入され、深刻な土壌汚染を引き起こしているのです。

また、アパレル業界が水質に与える影響も少なくありません。淡水の水質汚染の原因の約20%は繊維産業の染色といわれていることからも、アパレル産業は地球に優しくない環境負荷の高い業界と認識されています。

グリーン勝者のデンマーク

グリーン敗者がいれば、グリーン勝者もいます。日本が敗者とするならば、勝者の代表国はデンマークといえるでしょう。

日本では脱炭素化はごく最近になって見られる動きですが、デンマークでは1970年代のオイルショックからの長期的な流れです。他国に頼らずにエネルギーを供給するという方向へ転換したことから、自然と化石燃料に頼らない現在のスタイルが生まれ、脱炭素化先進国と呼ばれるまでになりました。

脱炭素化を目指す日本が進む道とは?

大切な地球環境を守るためにも、日本はいつまでもグリーン敗者の位置に安住しているわけにはいきません。脱炭素化を目指して政策を立て、温室効果ガスの排出を抑えていく必要があります。脱炭素化を実現するためのステップについて見ていきましょう。

  1. 環境負荷の見える化
  2. 環境負荷低減に必要な施策の具体化
  3. 環境負荷低減施策の実行

環境負荷の見える化

各事業者が自社の環境負荷を把握することで、何を変えるべきか課題が見えてきます。そのためには「環境負荷の見える化」が脱炭素化実現のファーストステップになるでしょう。

どの事業所が、あるいはどの過程で二酸化炭素を排出しているのか、各事業者が詳しく調べて数値化することが不可欠です。例えばアパレル事業者であれば、素材の製造や加工、縫製の段階で企業活動全体の約9割の二酸化炭素量を排出しているといわれています。

環境負荷低減に必要な施策の具体化

環境負荷の見える化を進めた後で、各工程で排出する二酸化炭素量の目標値を設定します。しかし、目標を設定するだけでは実現は不可能なので、具体的にどのように実現するか施策を提示してから目標値を設定することが大切です。

例えばアパレル事業者が企業全体で排出する二酸化炭素量を半減するという目標を掲げるなら、中でも排出量が多い素材の製造や加工、縫製の過程で、より厳しい排出量の制限が必要になります。素材の製造過程を減らすために再生繊維を用いるなど、取り扱う素材の選び方にも変化が必要になるでしょう。

環境負荷低減施策の実行

具体的な施策を提示し、実行に進んでいきます。そのためには、目標値や施策がトップダウン方式で伝えるのではなく、現場の声を反映しやすい環境を構築することが欠かせません。必要に応じて現場に重要事項の決定権を与え、柔軟に対応できるようにしておきましょう。

繊維・アパレル業界全体で取り組むことが必要

ひとつの事業者が二酸化炭素の排出削減に取り組むだけでは、世界の環境は改善しません。環境汚染に強い影響を与えている繊維業界、アパレル業界全体が、温室効果ガスの排出を抑え、水質保全や殺虫剤の使用の抑制に取り組んでいく必要があります。

もちろん、繊維業界やアパレル業界だけの取り組みでは不十分です。すべての製造業、すべての産業、個人が二酸化炭素の排出につながらないライフスタイルを選択し、実行していく必要があるでしょう。

まとめ

日本はグリーン戦争には負けましたが、敗戦国として立ち直っていく必要があります。アパレル業界などが産業全体で二酸化炭素の排出抑制に取り組むことも不可欠ですが、個人が再生繊維の衣料を積極的に選んだり、リサイクルを実施したりすることも大切です。より良い地球にするためのアクションを、私たち一人ひとりが始めていきましょう。


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