2021年冬は世界的に電力不足が深刻化!原因や政府対策について解説

生活

2021年-2022年の冬は世界的に深刻な電力不足が予想されています。電力不足を引き起こした原因や、今後予想される状態、また、政府による対策について見ていきましょう。影響を受けた銘柄についても解説します。

【2021-2022】電力不足の原因

電気なしには生活は成り立ちません。テレビやエアコンといった家電製品が使えないだけでなく、今や人々の生活を支配しているといっても過言ではないインターネットも、デバイスやルーターは電力で動いているため、電気がないと無用の長物になってしまうでしょう。

2021年末から2022年にかけて、世界的に電力不足が深刻化すると予想されています。その原因としては、次の2つが挙げられるでしょう。

  • クリーンエネルギーの不振が主原因
  • 炭素排出権の高さも原因のひとつ

クリーンエネルギーの不振が主原因

今、世界は脱炭素かつサステナビリティが主流です。二酸化炭素を排出しない再生可能なクリーンエネルギーを使うべきだとの考え方が広がり、太陽光や水力、風力による発電事業が進められています。

確かに太陽光や水力、風力はどんなに使っても減ることがなく、しかも発電過程において二酸化炭素も排出しないので、現代のニーズに合うエネルギー源です。しかし、いずれも気象条件に左右されるため、安定した供給を確保できないという難点を抱えています。

ヨーロッパや中国で不足問題が深刻化

2021年8月~10月、ヨーロッパでは天候に恵まれず、これらのクリーンエネルギーにおいて思うような発電量を得ることができませんでした。そのため、電力不足が深刻化しています。

また、ヨーロッパでは、クリーンエネルギーではないものの、石炭や石油などの化石燃料と比べると温室効果ガスの排出が少ないとされる天然ガスで電力不足を補おうという動きが顕著です。しかし、クリーンエネルギーの発電量が少なすぎるために天然ガスの需要が増え、天然ガスの価格高騰を引き起こしました。実際に、2021年の8月下旬から10月上旬のわずかな期間で価格が2.5倍以上にも上昇しています。

一方、中国では脱炭素を推進するために、火力発電の発電量を抑制する政策を採ってきました。しかし、石炭価格が上昇したため、抑制する基準の電力すら確保が難しくなっています。発電量が減ると製造業は大打撃を受けることが明白です。今後も電力不足の状態が続くと予想され、中国全体の実質GDPの2022年度の見通しも+5.5%から+5.2%に下方修正されました。

炭素排出権の高さも原因のひとつ

ヨーロッパでは、温室効果ガス排出権取引制度(EU ETS)が実施されています。これは温室効果ガスを排出する際に排出権を購入するという制度で、温暖化抑制のために導入されました。

しかし、近年排出権の価格が高騰しているため、天然ガスの価格に反映され、さらに価格が押し上げられています。2020年の時点では排出する二酸化炭素量1トンあたり20ユーロ後半でしたが、2021年後半には60ユーロ台になりました。

電力不足に対する政策と今後の変化

ヨーロッパや中国の電力不足は、決して他人事ではありません。今までクリーンエネルギーにシフトしてきた国々が従来のエネルギー源、例えば天然ガスや石炭、石油などに再注目することで需給バランスが崩れ、日本が必要量を確保できない可能性もあるのです。

また、化石燃料へのニーズが高まることで価格が高騰し、日本の電気代も高騰、場合によっては製造業などの生産抑制や景気悪化にもつながるかもしれません。電力不足に対して日本はどのような対応をしているのか、また、今後どのような対策をする予定なのか見ていきましょう。

【需給対策】需給量の見える化とガイドラインの策定

経済産業省の資源エネルギー庁では、2021年冬季に起こり得る電力不足に備え、エネルギー需給量の見える化を進めてきました。気象予報や供給量の増減を加味し、週単位で需給バランスを評価し、約2ヵ月先までの供給量を把握して、中期的な需給計画を立てられるようにしています。

供給量が不足しているときには約2週間先までの発電量を把握し、国や送配電事業者に情報を公開することも定められました。また、燃料調達行動の目安や燃料確保の方向性を示した燃料ガイドラインを策定し、発電事業者の望ましい在り方を示しています。

【市場価格対策】インバランス上限の設定

電気供給量が確保されたとしても、価格があまりにも上昇するのであれば、国民生活が脅かされてしまいます。また、製造業のコスト増大から物価上昇にもつながるでしょう。

資源エネルギー庁では、急激な電気価格上昇が生じないようにインバランス料金の上限価格を定めました。これにより、通常の上限価格は1kWhあたり80円、使用率ピーク時の予想予備率が3%以下のときは1kWhあたり200円に制限されます。

日本ではエネルギー関連銘柄に注目が集まる

世界的な電力不足は、エネルギー関連銘柄の株価にも影響を与えています。例えば、国際的なエネルギー生産企業で構成される株価指数は大幅な伸びを見せてきました。日本でもエネルギー関連銘柄に注目が集まり、価格上昇が見られるかもしれません。

世界経済の不安定化が促進

地球を守るためにクリーンエネルギーにシフトしていくのは必要なことです。しかし、クリーンエネルギーは安定した供給量を確保できないという事実が明るみになった今、世界経済の成長も安定的には見込めません。経済の不安定化がますます促進されるのではという懸念は、決して杞憂とはいえないでしょう。

まとめ

2021年夏以降、中国での電力不足が盛んに報道されましたが、電力不足は決して中国だけの問題ではありません。利便性と環境保護の両立が難しいという事実が明らかになったことをきっかけとして、電気を使う以外の選択肢について吟味する局面に立たされているといえるのかもしれません。


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