財産がなくても相続トラブルは起こる?ケース別で考える相続対策のポイント

生活

相続トラブルはさまざま原因で起こりますが、実際の事例を知っておくと対策をすることもできます。

何も知らないといざというときに混乱してしまい、うまく対処できないですよね。

トラブルが起こった際に対処するためにもあらかじめ事例を知っておくことは大切です。
今回は、相続トラブルの現状を解説するとともに3つの相続トラブルの事例を取り上げ、事前の対策の必要性についてお伝えします。

相続トラブルは人ごとではない

日本では1年に約130万人が亡くなっていますが、そのうち約1%の1万件以上が遺産分割事件(相続争い)として家庭裁判所に持ち込まれています。

「うちにはたいして財産がないから相続トラブルとは無縁」と考えている人も多いと思いますが、財産が少なければ相続トラブルが起こらないとは限りません。
実際に家庭裁判所に持ち込まれる相続トラブルの4分の3以上が遺産総額5,000万円以下のケースです。

また、調停や審判にまではならなくても、相続人の間に不満やわだかまりが残るケースは数多くあると思われます。

つまり、相続トラブルは誰に起こってもおかしくないものなのです。

ケース1:一人っ子のはずが…

離婚や再婚をした家庭では、家族関係も複雑になります。
親や配偶者が亡くなった場合、誰が相続人になるのかをきちんと知っておかないとトラブルになってしまうケースもあります。

Aさん(30代女性)は父母と3人家族でしたが、一人娘のAさんをかわいがってくれた父が病気のため亡くなりました。父が残した財産はマイホームといくらかの預貯金でしたが、相続の手続きをしようとしたAさんは、母から父には離婚歴があり前妻との間に子がいることを初めて聞かされました。
Aさんはショックを受けましたが、前妻の子の所在を調べ出し、若干の金銭を支払うことで遺産分割に応じてほしいと連絡をしました。ところが前妻の子は納得せず、弁護士を通じて法定相続分を渡すよう主張してきました。
1年以上経った今も係争は続いており、Aさんは心身ともに疲れ果てています。Aさんは大好きだった父に対し、今は憎しみさえ感じています。

ケース2:子どものいない夫婦は注意

最近は晩婚化や経済的な事情などで子のいない夫婦も増えています。
子のいない夫婦の場合、亡くなった配偶者の父母や兄弟姉妹が相続人となるためトラブルになるケースがあります。

Bさん(50代女性)夫婦には子がいませんでした。
夫とは仲が良く、夫名義のマイホームもありましたが、60代の夫は病気のため急に亡くなってしまいました。すると、夫の兄と妹が自分たちにも相続分があると主張してきました。
被相続人に子も親もいない場合、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人になります。法定相続分は配偶者が4分の3ですが、兄弟姉妹にも4分の1の権利があります。
弁護士をいれた調停の末に、Bさんは自宅だけは何とか守ることができましたが、夫の兄妹にまとまった金銭を支払うことになりました。

ケース3:こんな収益物件はいらない

相続した実家を相続人同士で押し付け合うことがありますが、実家だけではなくアパートのような収益不動産でも起こります。

Cさん(50代男性・会社員)の父は古くからアパートを経営していました。
父が亡くなり、母・弟との遺産分割協議の結果、Aさんは8戸のアパートを相続しました。アパートは8戸中6戸が空室でしたが、Cさんはリフォームをしてきれいにすれば空室も埋まり家賃収入も増えると密かに期待していました。
ところがこのアパートは建築後40年が経ち老朽化もかなり進んでいてリフォームには莫大な費用がかかり、安い家賃では費用の回収もままならないことが分かりました。また耐震性も心配で改修にはやはり費用がかかり、さらに入居している住人も家賃を滞納していました。
社員で賃貸経営にも全く興味がなかったCさんは、突然たくさんの問題を抱え困り果ててしまいました。後から聞いた話では、父は親しい不動産会社からそろそろアパートの整理を考えるようアドバイスされていたそうですが、入居者は大切にしなければと首を縦に振らなかったとのことでした。

今、Cさんは入居者の立ち退き交渉を始めていますが、立ち退き料や引越し先の問題でなかなか解決しそうもありません。こんなに苦労するのなら、相続などするのではなかったとCさんは嘆いています。

事前の対策の重要性

3つのケースはいずれもやっかいな問題ですが、事前の解決方法は考えられました。

ケース1では、Aさんの父は他の相続人の存在をAさんに伝えておくべきでした。さらに契約者と被保険者を父、受取人をAさんとする生命保険に加入して前妻の子への代償金に備えるという方法もあります。

ケース2では、Bさんの夫が「遺産を全てBさんに相続させる」という遺言を残していればトラブルにはなりませんでした。被相続人の兄弟姉妹には、遺言によっても侵害されない最小限度の財産の割合である「遺留分」がないからです。

ケース3では、滞納や立退きなどの問題は父の代で解決しておくこと、またCさんも父の生前から賃貸経営に関わり始めることが大切です。

まとめ

今回紹介したケースでは、いずれも生前に対策をしておけばトラブルを避けられた可能性があります。

相続トラブルは他人ごとと考えず、まずは親や自分の相続にトラブルになるような問題はないかを洗い出すこと、そして問題があれば生前に対策をしておくことが大切です。


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