遺言信託が必要な人とは?サービスの内容と注意点についてご紹介

生活

遺言信託とは、遺言の作成から管理、執行までをワンストップで請け負うサービスです。
具体的にどのような人に必要なサービスなのか、また利用する際に知っておきたい注意点について解説します。

遺言信託のサービス内容

信託銀行などの信託業務を行う機関では、個人に向けた「遺言信託」サービスを展開していることがあります。
なお、信託とは財産を信用できる人や機関に預けることです。
遺言信託を利用すると主に次の3つのサポートサービスを受けられます。

  • 遺言書の作成をサポート
  • 遺言書の保管・執行をサポート
  • 相続手続きをサポート

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

遺言書の作成をサポート

財産について遺言書を書いておきたいと考えている場合でも、専門家のサポートを受けずに書いてしまうと内容が伝わりにくかったり、大切なポイントが抜けていて遺言書として扱えなかったりする可能性があります。

遺言信託を利用すると遺言書作成の専門家がサポートをするので、誰にどの財産を残したいのかを明確に文書にすることが可能です。まずは言葉で遺言書の内容をスタッフに伝え、自分の遺志が明確に分かるように文章化してもらいましょう。

遺言書の保管・執行をサポート

遺言書を自宅に置いておくと、亡くなったときに見つけてもらえない可能性もあり、見つけてもらったとしても実行されない可能性もあるでしょう。
遺言信託を利用して遺言書を作成すると、公証役場で公正証書の形にしてから保管するので紛失や見つけてもらえないといった不安を解消できます。
また、遺言信託では遺言執行人を信託銀行等に指定するため、遺言書の開示から執行までがスムーズに行われるでしょう。

なお、遺言書の執行をスムーズにするためにも、遺言信託を利用するときは遺言者は「死亡通知人」を選択しておきます。死亡通知人は遺言者の死亡を信託銀行等に伝える役割を担うので、遺言者はあらかじめ役割を説明し、死亡通知人の了承を得ておく必要があるでしょう。例えば死亡通知人として長男を選んでおくなら、長男は遺言者が亡くなったらすぐに信託銀行等に連絡します。

相続手続きをサポート

死亡通知人により遺言者死亡の通知を受けた後、信託銀行等は次の手順で相続手続きを開始していきます。

  1. 相続人の協力を得て、遺言者の財産や負債を調査する
  2. 財産目録を作成する
  3. 相続税の申告をサポート
  4. 遺言書に従い、遺産分割や不動産の名義変更等をサポート

相続に関するすべての手続きが完了すると、遺言信託の業務は終了です。

遺言信託が必要な方とは?

すべての人に遺言信託が必要なわけではありません。遺言書を書く予定がない方や、死後のことは自分で決めたくないと考えている方であれば、遺言信託を利用する必要性はないでしょう。
しかし、次のいずれかに該当する方は、遺言信託の利用を検討できます。

  • 遺言書で表明した遺志を尊重して欲しい方
  • 遺言書の改ざんが不安な方
  • 相続人の間でのトラブルを回避したい方

遺言書で表明した意思を尊重して欲しい方

遺言信託は遺言の執行までをトータルで依頼できるサービスです。
遺言書を書いたのは良いけれど、配偶者や子ども、孫たちに本当に実行してもらえるのか不安な方は、遺言信託を利用して自分の意思を実行してもらうことができるでしょう。
また、シンプルに分けるのではなく、少し複雑な分け方を希望する場合も遺言信託を利用するならば専門家のサポートを受けつつ執行されるので安心です。

遺言書の改ざんが不安な方

遺言書を自宅に置いておくのは「もしかしたら書き換えられるのでは?」と不安に感じている方も、遺言信託を利用できるでしょう。
例えば不平等な遺産の分け方を考えている場合や「皆と同じではなく多めに欲しい」と考えている相続人がいる場合は、遺言書を改ざんする可能性が0ではありません。万が一に備えるためにも、遺言信託を利用できるでしょう。

相続人の間でのトラブルを回避したい方

遺産分けが引き金となって家族にトラブルが起こり、仲が悪くなってしまうケースも珍しくありません。
家族がいつまでも仲良く暮らすためにも、遺言信託を使って遺言の執行を第三者に委ねることで無用なトラブルを回避できるでしょう。

また、財産が多岐にわたる場合は相続が複雑になることがあります。相続人の負担を軽減したいと考えている方も、遺言信託の利用を検討できます。

遺言信託の注意点

遺言信託を利用すると遺言書の作成から執行までのすべてを第三者に依頼することができ、「本当に遺言書を尊重してくれるのだろうか」「家族仲良く相続できるだろうか」といった遺産についての悩みを軽減できるでしょう。
しかし、注意すべき点もいくつかあります。特に次の2点は留意しておく必要があるでしょう。

  • 手数料がかかる
  • 書き直しの度に手続きが必要

手数料がかかる

遺言信託を利用すると手数料がかかります。
最初に遺言書を作成するときにまとめて支払い、その後1年ごとに管理・保管にかかる手数料を支払うことになるでしょう。また、執行の際には取り扱う遺産の価値によって執行手数料も発生します。そのほかにも、税理士や司法書士への報酬や、不動産登記の手数料なども必要になるでしょう。

書き直しの度に手続きが必要

遺言書を作成した後に書き直したいと思うことがあるかもしれません。遺言書は原則として何度でも書き直せますので、遺言信託を利用した場合も何度でも書き直すことが可能です。
しかし、書き直しの度に専門家と相談したり、公正証書として作成してもらったりと手続きが必要になります。また、その度に手数料も発生するので費用がかさむ点もデメリットといえるでしょう。

まとめ

遺言信託を利用することで効力のある遺言書を作成できるだけでなく、遺言書の保管から執行までも信用できる第三者に任せられます。
遺言書に記す内容を実行してもらうためにも、また遺言書が理由となって家族間にトラブルが起こったり疎遠になってしまったりしないためにも、遺言信託の利用を検討することができるでしょう。


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