税制改正で何が変わった?令和3年度の改正内容まとめ

生活

毎年、税制改正が実施され、税に関するさまざまな制度が変わります。
令和3年度も税制改正により、私たちの生活に関わる多くの税制が変わりました。改正になった内容についてご紹介します。

令和3年度税制改正の要綱

令和3年度の税制改正は、新型コロナウイルスにより打撃を受けた経済構造を建て直す目的のものが少なくありません。特に打撃を受けたと考えられる中小企業の事業再構築を促すものや、家計を支えるものも含まれています。
また、将来の日本経済を支える企業のデジタルトランスフォーメーションを促進するものなどもあり、該当する場合は節税が可能です。

改正内容によって施行開始時期が異なる

令和3年度税制改正は令和3年3月に発令されましたが、改正内容によって施行時期が異なります。改正税制を適用して税処理を行う場合は、必ず施行時期を確認するようにしましょう。

令和3年度税制改正の詳細

では、具体的に令和3年度の税制改正で何が変わったのかについて見ていきましょう。令和3年度は次の6つの税金や制度において、計算方法や税率などに変更が加えられました。

  • 個人所得課税
  • 資産課税
  • 法人課税
  • 消費課税
  • 東日本大震災の復興支援税制
  • 納税環境の改正

個人所得課税

個人所得課税においては、次の4つにおいて変更があります。

  1. 住宅ローン控除の特例延長
  2. セルフメディケーション税制の見直し
  3. 国や自治体の子育て関連助成金における非課税措置
  4. 退職所得課税の見直し

令和2年度において、住宅ローン控除の控除期間が特例として10年から13年に延長されていましたが、令和3年度も引き続き13年間になります。注文住宅においては令和3年9月末、分譲住宅は令和3年11月末までに契約し、令和4年末までに入居すれば特例の対象です。

また、ドラッグストアで購入した医薬品の購入費用に関して、年間1.2万円を超える金額(上限は10万円)についてはセルフメディケーション税制が適用されています。しかし、令和4年分以降に関しては、効果が薄いものに関しては対象外になることが検討中です。

国や自治体が実施している子育て関連の助成金については、一時的に非課税となります。例えばベビーシッターや認可外保育施設などの利用料に対する助成金は非課税対象です。

勤続年数が5年以下の勤務先から受ける退職金については、令和4年分以降から課税方法が変わります。退職所得控除を実施した残額のうち300万円を超える部分に関しては1/2課税が適用外になるので注意が必要です。

資産課税

資産課税に関しては以下が変更になります。

  1. 住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置の拡大
  2. 教育資金や結婚、子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税措置の見直し

令和3年4月以降は住宅取得等資金に関する贈与税の非課税枠が1,200万円(耐震・省エネ・バリアフリーの場合)になる予定でしたが、令和3年4月以降も12月まで引き続き非課税枠は1,500万円までとなります。

この税制は、合計所得金額が1,000万円以下の者であれば、床面積が40平米以上の住宅を取得するときに適用可能です。合計所得金額が1,000万円超2,000万円以下の者に関しては、床面積が50平米以上の住宅取得の際に適用されます。

教育資金や結婚、子育て資金の一括贈与に関しては、令和5年3月31日まで制度が延長されました。贈与者死亡時に贈与財産に残額があれば相続財産に加算され、受贈者が贈与者の孫等であるときは、相続税額に2割加算が適用されます。

法人課税

法人課税に関しては変更点が多数あります。主なものについて見ていきましょう。

  1. デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設
  2. カーボンニュートラルに関する投資促進税制の創設
  3. 新規雇用者の給与増加に関する税額控除
  4. 繰越欠損金の控除上限に関する特例
  5. 中小企業向けの投資促進税制の延長

デジタル環境の構築に関する投資については、5%あるいは3%の税額控除、もしくは30%の特別償却が2年間に限り適用されます。カーボンニュートラルに関しても、脱炭素化効果の高い投資については10%あるいは5%の税額控除、もしくは30%の特別償却が3年間に限り適用可能です。

また、新規雇用者の給与を前年度比2%以上増加させると、新規雇用者に支払った給与額の15%を2年間に限り税額控除できます。

その他にも、赤字であってもカーボンニュートラルやデジタルトランスフォーメーションなどに投資を行う企業は、最大5年間、令和2年2月1日から令和3年4月1日までに発生した繰越欠損金の控除限度額が最大100%になる制度も実施されます。なお、投資範囲については細かな決まりがあるため、税務署に問い合わせましょう。

中小企業に関しては、所得金額のうち年800万円以下の部分に関しては法人税率が15%に軽減される制度が延長されます。また、特定の機械装置などに投資をした場合は、30%の特別償却もしくは7%の税額控除を適用することも可能です。

消費課税

消費課税については、エコカー減税が見直されます。2020年度燃費基準を達成していることを条件として、2030年度燃費基準の達成度に応じて、自動車重量税が25%軽減・50%軽減・免税・2回免税のいずれかが適用されます。

東日本大震災の復興支援税制

福島県知事から新産業創出等推進事業実施計画の認定を受けた法人に関しては、即時償却や税額控除などの税額軽減措置が適用されます。また、風評被害によって経営に影響が及んでいる法人等に関しても、給与支払い額等に特例措置が適用されます。

納税環境の改正

税務署長や自治体の長に提出する書類に関して、押印義務が廃止されます。また、令和4年1月以降は、30万円以下の国税についてスマホ決済サービスによる納税が可能になります。

まとめ

税制改正によって、税額が大きく変更されることもあります。また、令和4年以降は国税に関してスマホ決済サービスが利用できるなど、納税方法も変更されます。常に最新の情報を入手し、正しく納税していきましょう。


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