60歳以降の住宅ローン借り換えの成功事例【人生100年時代―老後のくらし計画】

ローン

こんにちは。
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者®)の中村諭です。

前回は「老後の生活設計に必要なお金の捻出方法」について、3つの方法をお伝えしました。

1. 売却して「お金」に換える方法
2. 賃貸に出して「お金」に換える方法
3. リバースモーゲージという方法

そうです!
今回は「リバースモーゲージの利用ケース」の具体的な事例をお話していきたいと思います。

リバースモーゲージ活用事例

60歳以降も住宅ローン返済中の人の活用事例①

次のようなご相談があり、お悩みに対して幾つかの解決案を検討した結果、リバースモーゲージの利用を選択されたお客様の事例です。(実際のご相談とは数字を変えて掲載しています)

[ご相談事例]

Aさんは東京都内在住の60歳会社員の男性です。
現在は奥様と大学生のお子様との3人でマンションに暮らしています。

60歳となった今年に長年勤務した会社を定年退職となりましたが、今でも同じ会社で勤務しています。
継続雇用ではありますが、年収は半分くらいまで下がってしまいました。
年収は下がったものの、家計の支出は変わりません。

現在の住宅ローンは、ボーナス返済こそありませんが、毎月15万円ほど支払っています。

この「毎月の住宅ローン返済」が、現在の年収にとっては大きな負担との事でご相談に来られました。

今すぐに首が回らなくなるという事ではないのですが、人生100年と言われる中「貯金を取り崩す生活が60歳から始まる」のはとても不安に感じるとのことです。
ご相談に来られる前に、売却も考えたそうです。
売却してしまえば、その売却資金でローンを完済し残ったお金で「中古マンション購入」も考えたとのことです。
でも、今の新築マンションに住み始めてまだ3年。
やっとこの生活にも慣れ、今の生活環境を変えたくない。
また、次の中古マンションを現金で買ってしまい、資金余力がなくなるのも不安とも。

最初に検討したのは、住宅ローンを借り換えることで、返済負担を軽くすることでした。
そこで、まずは現在のローン状況を教えてもらいました。

【現在返済中の住宅ローン】
・ローン残高:3200万円
・残り期間:19年
・金利:0.80%(固定金利、2年後からは1.10%)
・返済月額:152,000円
・ボーナス返済:0円

Aさんの希望は、毎月の返済額を減らすことです。
という事は、住宅ローンを借り換えることで、「金利を下げる」もしくは「返済期間を延ばす」ことが必要になります。

しかしながら、現在60歳のAさんは79歳までローン返済が続きます。
返済期間を延ばす余地はありません。
また金利面においては、現在充分に低いのですが、さらに低い金利の住宅ローンに借り換えができたとして、下記のような試算になります。

【借り換え試算】
・ローン残高:3200万円
・残り期間:19年
・金利:0.50%(変動金利)
・返済月額:147,000円
・ボーナス返済:0円

結果として、毎月の返済額は5千円下がりますが、家計改善というには程遠く、更には、借り換え時の諸費用として、金融機関の事務手数料、保証料、登記費用等で数十万円かかることを考えると、メリットは無いに等しくなります。
ということで、当初は住宅ローンの借り換えをご希望でしたが、別の対策を考えてみます。

  • 住替え
  • リースバック
  • リバースモーゲージ

この3つが考えられますが、今のマンションには3年前に引っ越してきたばかり。
もうしばらくは住みたいとの事なので、住替えの選択肢は無し。
また、3年前にマンションを買った際に、頭金をかなり入れたので、今売れば、ローンを返済しても手許に資金がしっかり残るだろうとのこと。
つまり、売却価格はローン残高を大きく上回りそうです。

売却してから同じ家に住み続けて、家賃を支払う「リースバック」だと、売却価格が大きくなればなるほど、現在のローン返済額と同等かそれ以上の金額の家賃となる可能性があります。
という事は、リースバックの選択肢も無し。
最終的にリバースモーゲージを検討することとなりました。

【リバースモーゲージへの借り換え試算】
・ローン残高:3200万円
・残り期間:終身
・金利:2.70%(変動金利)
・支払月額:72,000円
・ボーナス返済:0円
※金利は金融機関によって異なります。(この金利は記事上の仮レート)
※リバースモーゲージは金融機関によって、商品概要が異なります。
※この度の事例は「住宅ローンからの借り換え」を想定した融資となっています。

現在支払い中の住宅ローンとリバースモーゲージへ変更後の比較をしてみます。

【比較(案)】

現在変更(案)この度の
着眼点
融資商品住宅ローンリバースモーゲージ
ローン残高3200万円3200万円
金利0.80%2.70%
月間支出額152,000円72,000円-80,000円
年間支出額1,824,000円864,000円-960,000円
ローン完済時期19年後終身
返済方法元利均等返済元金返済なし
利払いのみ
団体信用生命保険保険あり保険なし

【メリット】

借り換え前後の比較

【住宅ローンからリバースモーゲージに借り換える際の注意点】
・利息の支払いが終身続く契約なので、永続的に支払えるのか検討が必要
・団体信用生命保険が付かなくなるので、契約者が亡くなったときにローンが残ってしまう
・借り換えには諸費用(金融機関事務手数料、登記費用等)が必要
・希望金額の融資が出るのかは金融機関の審査が必要

【Aさんの今後の方針】
・お子様が独り立ちしたら住替えを検討する。それまでの期間は住んでいたい。
・それまでの間「つなぎ融資」的にリバースモーゲージ利用希望なので、利息の支払いが終身続く心配はない。
・繰上げ返済も可能な家計なので、将来的には少しずつ繰上げ返済をしていくことで「支払利息額」も減額可能。毎月の支出を少しずつ軽くして行くことも可能。
・ローン残高以上の生命保険に入っているので、万が一の際には「保険金」でローンを返すことも検討。
・借り換えの諸費用も「リバースモーゲージ」に組み入れて検討。
・希望の融資額が出るのか否かの調査の意味も含めて、金融機関へリバースモーゲージの申込み開始。

金融機関へ申し込みました。その結果が次のとおり。

【リバースモーゲージへの借り換え結果】
・ローン残高:3280万円
・残り期間:終身
・金利:2.70%(変動金利)
・支払月額:73,800円
・ボーナス返済:0円
※金利は金融機関によって異なります。(この金利は記事上の仮レート)
※リバースモーゲージは金融機関によって、商品概要が異なります。
※この度の事例は「住宅ローンからの借り換え」を想定した融資となっています。

現在支払い中の住宅ローンとリバースモーゲージへ変更後の比較をしてみます。

現在変更(案)この度の
着眼点
融資商品住宅ローンリバースモーゲージ
ローン残高3200万円3280万円
金利0.80%2.70%
月間支出額152,000円73,800円-78,200円
年間支出額1,824,000円885,600円-938,400円
ローン完済時期19年後終身
返済方法元利均等返済元金返済なし
利払いのみ
団体信用生命保険保険あり保険なし

金融機関への申込みの結果、借り換え諸費用を加えた金額での審査が通り、3280万円のリバースモーゲージ開始となりました。
毎月の支出が相談開始時の想定よりは増えてしまいましたが、Aさんの負担は住宅ローンと比べて半分以下となり、喜んでいただけました。

次回は、おひとり様が住宅ローンからリバースモーゲージに借り換えた事例をご紹介します。

次回もお楽しみに!




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