借地の買取もできる!?リバースモーゲージ活用事例【人生100年時代―老後のくらし計画】

ローン

前回は「キャッシング返済」向けのリバースモーゲージ活用事例を教えてもらいました。
今までは住宅ローンの借換のイメージしかなかったんですけど、色々な活用方法があるんですね。

そうなんです!
今回も借り換え以外の活用方法について解説したいと思いますが、その前にひとつ。
すみちゃんは「借地」って聞いたことありますか?

「借地」ですか?
文字通り「土地を借りる」ってことですよね。

そうですね。
「建物を建てるために借りている土地」のことです。
借りている土地なので、建物は自分のものでも土地を貸してくれている地主さんに支払う地代は発生します。
今回は、この「借地」をリバースモーゲージで買い取る場合の事例について紹介します。

なるほど。そういうパターンもあるんですね。
よろしくお願いします!

リバースモーゲージ活用事例「借地の買い取り」

今回のご相談者は東京都在住のDさんです。
※実際のご相談を例に、数字は加工しています。

長年住み慣れた我が家ですが、土地は「借地」です。
毎月「地代」を地主さんに支払っていますが契約期間が満了するため、大家さんから次のどちらかを選んでほしいとの話がありました。

  1. 「借地権」更新(これまでは20年契約)
    引き続き借地として使用する場合は「更新料」として330万円が必要
    地代賃料30,000円から36,000円へ値上げ(地価上昇のため)
  2. 「底地権」買取り
    土地の名義を地主さんから買い取る場合は売買代金は2300万円

Dさんはこの機会に土地を自分の名義にしたいと考えています。
330万円の更新料を支払いこの先もずっと地代を支払うよりも、住宅ローンを組めればその方が良いと考えています。
つまり、上記2の「底地権の買取り」が希望です。

でも、Dさんの年齢は68歳。
住宅ローンは組めるのでしょうか?
そこで、Dさんと一緒に次のような内容を検討しました。

検討内容

  • 《検討①》Dさん単独で住宅ローンを組むこと
  • 《検討②》息子さんも加わって親子リレーで住宅ローンを組むこと
  • 《検討③》Dさん単独でリバースモーゲージを組むこと

他にも、権利を放棄して賃貸マンションへ引っ越す案もありましたが選択肢には入れませんでした。 

ここでDさんの状況も確認しておきましょう。

Dさんの状況

  • 年齢:68歳
  • 年収:300万円(給与所得)+100万円(年金所得)
  • 同居のご家族:妻と息子(会社員)
  • 自己資金:100万円(今すぐに使える資金として)
  • 仕事環境:70歳を越えても働ける職場

《検討①》Dさん単独で住宅ローンを組む

住宅ローンの返済は80歳までとしている金融機関が多くあります。
68歳のDさんは最長で組める住宅ローンは12年となります。
その結果、毎月の返済額は「17万4627円」となり家計には大きな負担です。
更に、年収とのバランスを考えても、住宅ローンの審査をクリアする可能性は難しいと判断しました。

検討① 住宅ローン試算

  • 融資額:2300万円
  • 金利:1.50%
  • 融資期間:12年
  • 返済月額:17万4627円

《検討②》息子さんも加わって親子リレーで住宅ローンを組むこと

同居の息子さんと共同名義で購入し、住宅ローンも共有で組むことを考えてみました。
息子さんがローン契約に関わることで35年ローンを組むことが可能となります。
その結果、毎月の返済額は「7万422円」となりました。
検討①と比べると毎月の返済額をぐっと抑えることができます。

検討② 住宅ローン試算

  • 融資額:2300万円
  • 金利:1.50%
  • 融資期間:35年
  • 返済月額:7万422円

しかし、息子さんが今回のタイミングで住宅ローンを組むと、息子さん本人が将来住居を購入することとなった時に今回のローンが重荷になり、住宅ローンを組めなくなる可能性があります。

選択肢としてはあるものの、Dさんの思いとしてはそこまではしたくないとのこと。
この案は検討しないことにしました。

《検討③》Dさん単独でリバースモーゲージを組む場合

最後にリバースモーゲージを検討してみましょう。
不動産購入の場面でもリバースモーゲージは使えます。
しかし、ローンの性質としてフルローン(自己資金なし)で住宅購入資金の融資を受けるのは難しいですが、今回は借地として地代を支払ってきた土地の「底地権」の購入です。

一戸建ての住宅を購入する場合と比べて、必要な資金は下記のように部分的になるため、リバースモーゲージが使えます。

一戸建て住宅購入イメージ

借地権利用中の自宅の底地購入イメージ

今回の必要資金は不動産全体の査定額の半額以下だったため、リバースモーゲージが使えそうです。

リバースモーゲージ試算

  • 融資額:2450万円
  • 金利:2.40%
  • 融資期間:終身
  • 返済月額:49,000円

※リバースモーゲージの融資額は、登記費用・不動産売買手数料・事務手数料等を加算
※金利は、本記事用の仮定金利

支出額の比較

では、リバースモーゲージを利用した場合に支出額がどれだけ変わるのか比較してみましょう。

Dさん単独の住宅ローン VS リバースモーゲージ

はじめに、検討①のDさん単独で住宅ローンを組んだ場合と比較してみます。

※リバースモーゲージの融資額は、登記費用、不動産売買手数料、事務手数料等を加算
※金利は、本記事用の仮定金利

住宅ローンに比べて、毎月の支出が大幅に下がります。
そもそも住宅ローンの審査は通らなかったかもしれません。

借地継続 VS リバースモーゲージ

Dさんの希望からは外れていましたが、もし借地を継続した場合でも比較してみましょう。

※リバースモーゲージの融資額は登記費用、登記費用、事務手数料を加算
※金利は、本記事用の仮定金利
※所有権となれば、土地の固定資産税等の負担があります

リバースモーゲージの利用で毎月の支出は増えますが、借地ではなくなり自分のものになります。
また、更新料といったまとまった資金支出は不要となります。
底地権を買い取ることで、将来Dさんが亡くなった場合でも不動産を売却することでローンを完済して現金を残すこともできます。
更地にして有効活用することも自由にできます。

リバースモーゲージは支払いが終身続きますが、東京で大人3人が住む広さの賃貸マンション(アパート)に引っ越した場合、家賃はもう少しかかりそうです。

また、妻の年金収入や同居の息子さんから生活資金の補填もあること、そして将来売却することである程度まとまった現金を手許に残すことが見込めます。

これらの点を考慮した結果、Dさんはリバースモーゲージを利用することにしました。

いかがでしょうか。
今回は、借地の買い取る場合のリバースモーゲージ活用事例について解説しました。
実際には、皆さんそれぞれ環境や状況などが異なると思います。
お悩みの方は、一度専門家にご相談なさることをお勧めいたします。

おかねの窓口では、リバースモーゲージについてのご相談も承っております。
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